1987 Fiscal Year Annual Research Report
県別土地資本の推計と土地改良の経済効果に関する研究
Project/Area Number |
62560219
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
荏開津 典生 東京大学, 農学部, 教授 (40011928)
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Keywords | 土地資本ストック / 土地基盤整備 / 土地改良 |
Research Abstract |
本年度は県別の土地資本ストック額の推計を行なった. 推計結果の概要は以下の通りである. 1.土地資本ストックの総額の全国値の動きをみると, 昭和53年までは多少の上下はあるものの, 約99兆円(60年価格)で維持されていたが, その後は毎年約5,000億円ずつ増加している. ストック推計のベンチマーク年(昭和38, 43, 50, 58年)間で年平均の増減率は, 昭和38〜43年間は0.03%, 43〜50年間はマイナス0.03%, 50〜58年間は0.28%である. 2.単位面積当土地資本ストックは, 昭和58年全国平均値で190万円/10a(60年価格)で, 昭和38年からの年平均増加率は0.7%である. 県間格差は年々開いており, 面積当ストックの最高の県と最低の県の水準を比較すると, 昭和38年は30%の格差であったが58年には50%となっている. 田畑別のストック額も格差が拡がっており, 水田は19%から38%, 畑は18%から26%である. この点は変動係数の計算結果からも確認されており, 整備内容別にみると特に水田の面整備について県間でのバラツキが大きくなってきている. なおストック増分の恒等式, すなわち(土地資本ストック増減額)=(土地改良投資額)-(農地潰廃額)-(更新投資額), はほぼ満足のいく条件で成立しており, 推計のストック=フローの関係が妥当であることが明らかになった.
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