1987 Fiscal Year Final Research Report Summary
Project/Area Number |
62560223
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Agro-economics
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Research Institution | Akita Prefectural College of Agriculture |
Principal Investigator |
工藤 昭彦 秋田県立農業短期大学, 農学科農業経営経済学研究室, 助教授 (00073966)
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Project Period (FY) |
1987 – 1989
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Keywords | 田輪転換 / 土地利用方式 |
Research Abstract |
昭和62年度は, 主として大潟村の事例によりながら, 田畑輪換に対する農家の経験的事実について調査検討した. その結果, 得られた知見はつぎのとおりである. (1)農家ののこれまでの体験によれば, 田畑輪換により水稲, 畑作物ともに増収することが明確であった. (2)とりわけ, 小麦や大豆といった畑作物よりも, 水稲の増収効果の方が上回ると判断している農家の方が多かった. (3)このため, 今後とも圧倒的に多くの農家が田畑輪換に取り組んでいくものと推察された. (4)その場合, 水稲および畑作物の面積比率がどのようになるかということであるが, これについて調査農家の多くは水稲9枚(11.25ha), 畑3枚(3.75ha)ぐらいが妥当だろうという判断を持っていた. (5)その理由は, これまでの経験からして畑作は2年, 水稲は6年ぐらいでローテーションした方が望ましいという認識を得ていたからである. (6)圃場数にして12枚, 面積にして15haを畑作2年, 水稲6年のローテーションで回すとすれば, 計算上それぞれの面積は3枚, 9枚になる. (7)加えて, 大半をヘドロ土壌におおわれた大潟村においては, 田畑輪換が地力維持や雑草防徐, 連作障害の回避といった効果をもっていることも明らかであった. (8)以上のことから, 少なくとも大潟村においては今後とも田畑輪換による土地利用方式が定着していくものと思われた. (9)このことはまた, 既存の農村においても, 条件さえ整えば田畑輪換が定着する可能性があることを物語っていた. (10)63年度はその点を調査研究する.
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