1987 Fiscal Year Annual Research Report
大区画化再圃場整備のための農地・農業地域の実態分析
Project/Area Number |
62560227
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
冨田 正彦 東京大学, 農学部, 助教授 (60074051)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉野 邦彦 東京大学, 農学部, 助手 (60182804)
山路 永司 東京大学, 農学部, 助手 (10143405)
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Keywords | 圃場整備 / 大区画 / 再整備 / 経営受委託 / 集団的転作 / 水田モデル圃場 / 均平 |
Research Abstract |
昭和38年に発足した現行の圃場整備事業は, 現在全国水田の約40%を終え近年では事業がより困難な中山間地帯へと進行してきている. と同時に, 既に圃場整備済みの水田(および転換畑)についても, 農業内外の情勢の変化により見直しが必要になってきている. とくに, 区画割りは事業実施時に想定した作業機械体系および土地所有形態等をもとに決定されているが, 受委託の進行, 集団的転作の進行といった状況の変化は, それに適合する圃場基盤を必要としている. また, 現行圃場整備体系は, 現行の作業機械を前提に組み立てられているが, 本来は望ましい農業形態の模索から出発すべきものである. との認識から, 現行圃場整備のモデル地区となった3地区と地域特性・地形特性にもとづいて抽出した数地区を対象に, 再整備の視点から調査・検討を行い, 農地基盤という土地資源の効率的運用方向を明らかにすることを試みた. その結果, 以下のことが明らかになった. 1)38年度実施の水田モデル圃場(野尻, 高須輪中, 三瀦)を対象に, 当時の設計概念と, この20年間の実際の使用状態とを, 事業実施当時からこれまでの資料を各々の地区の関係土地改良区, 行政官庁から収集・分析し, さらにヒアリング調査により明らかにした. 2)38年度以降実施の都道府県営圃場整備事業地区のうち手に入る限りの計画書を入手し, 一農区内の耕区間高低差を設計理念(切り盛り量最小化を目指すか, あるいは出来得る限り段差を少なくするか)の観点から年度別, 地域別, 立地条件別に一次整理した. 63年度にはさらに計画書を堀り起こしたうえで, これらのクロス分析に取り組む予定である. 3)2)で一次整理したものから, 条件別に数地区を抽出し, 実際の使用状態を現地調査(資料, ヒアリング)により明らかにする体制を整えた.
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