1987 Fiscal Year Annual Research Report
土壌流亡に及ぼすヒドロキシアルミニウム処理効果と他の土壌要因の影響評価
Project/Area Number |
62560238
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
田熊 勝利 九州大学, 農学部, 助教授 (40032297)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江頭 和彦 九州大学, 農学部, 助教授 (20038293)
高山 昌照 九州大学, 農学部, 教授 (60038312)
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Keywords | 土壌流亡 / 凝集効果 / 相対濁度 |
Research Abstract |
土壌流亡に伴う濁水は下流部地域への種々の環境汚染を引起こす可能性がある. 赤色土である沖縄の国頭マージを用い, 静水中における各種凝集剤の添加に伴う凝集効果について相対濁度の経時的変化にて検討を加えた. 土壌流亡に伴う濁水は沈砂工等に流入後早い時期に凝集沈降させる必要がある. それ故に, 凝集剤も濁水に添加後急激に凝集沈降させるものが望ましい. pHと相対濁度の場合, 1分後の相対濁度はpH3.0を除き, pHに関係なく90%以上の値を示し, ほとんどpHに無関係である. 2分経過後には大きな変化を示し, pH8.0以上では分散状態にあり, pH3.0〜7.0では, 無添加時のpHが5.3であるから無添加時の沈降とあまり大差ない沈降を示す. pH7.0よりpHが下がるにつれ, 初期の経過時間では徐々に凝集効果がでている. 国頭マージは強酸性になると明らかに無添加量時より凝集状態にある. 塩酸の場合, 初期経過時間では, 20me/100grが一番凝集効果をあげている. また, この添加量は国頭マージの陽イオン交換容量の約200%に相当する. これら塩酸添加時のpHは2.5〜3.3であり凝集効果がある. 塩化第二鉄の場合, 添加量が少ないほど凝集効果がある. 無添加時とのSS濃度を比べると, 5me/100gr添加量以下において凝集効果があり, 添加量を増すと逆に分散傾向がみられる. ヒドロキシアルミニウムの場合, 20me/100gr添加量では完全に分散してしまい, 0.2me/100gr添加量以下で顕著な凝集効果が上がっている. つまりヒドロキシアルミニウムの場合は極めて希薄な溶液を加えれば凝集効果が上がることが分かり, その添加量の多少により分散凝集の二面を持ち合わせている. 国頭マージは強酸性になると無添加時より凝集状態にある. 凝集剤としては, 20me/100gr塩酸と0.003me/100grヒドロキシアルミニウムが良い結果を与えた.
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