1988 Fiscal Year Annual Research Report
土壌流亡に及ぼすヒドロキシアルミニウム処理効果と他の土壌要因の影響評価
Project/Area Number |
62560238
|
Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
田熊 勝利 鳥取大学, 農学部, 助教授 (40032297)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江頭 和彦 九州大学, 農学部, 助教授 (20038293)
|
Keywords | 土壌流亡 / 土の物理性 / 凝集 / 沈澱 / 受食性 |
Research Abstract |
農地が勾配をもつことは自ずから土壌流亡を生ずる。土壌流亡は河川・湖・海の汚染を引き起こす可能性がある。ヒドロキシアルミニュウムを用いて、重粘土の改良、赤黄色土の受食性に関する土壌要因の解明及び赤色土の流亡防止効果効果について検討した。 重粘土の土壌改良のためのヒドロキシアルミニウム処理効果は、添加量がCECに対する割合100%までは非常に効果が現れるが、それ以上添加量を増加してもありまり効果がみられない。全体的にその処理効果は特に透水係数に顕著である。また、土壌の物理性の改善は土を十分に乾燥してからヒドロキシアルミニウムを添加すればより効果的である。 花崗岩を母岩とする残積性のマサ土と花崗岩以外の岩石に由来する赤黄色土の受食性を支配する土壌要因は、それぞれ粒径組成(<53μm)と集合体安定度(>53μm)であり,これら土壌要因に基づいて受食性の評価基準を設定した。マサ土と赤黄色土の流出土量はほぼ同じ大きさにあった。しかし、物理性には大きな相違がみられ,マサ土が素粒質で低い粒団安定性を示したのに対し、赤黄色土は細粒質で高い粒団安定性を示した。 各種凝集剤でのオンジャクに対する凝集剤としては20me/100g塩酸と0.003me/100gヒドロキシアルミニウムがよい結果を与えた。そして流水中では10me/100gのFeCl_3がよい結果を与えたが、無添加時の0.65〜0.75程度SS濃度を低下させるに留まり、薬品のみにて沈砂池で即効的に凝集沈澱を促すことは無理があるものと考える。農地の浸食防止は、まず第一にヒドロキシアルミニウムにて農地の土壌改良を行い、次に農地における土壌流亡を少なくし、流失してきた土壌については沈砂池にてヒドロキシアルミニウムを加え土壌の凝集沈澱を促す対策を講ずる。
|