1987 Fiscal Year Annual Research Report
単肥利用による精密施肥法と分離繰出し型施肥機の開発に関する研究
Project/Area Number |
62560245
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
伊藤 道秋 新潟大学, 農学部, 助教授 (20001464)
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Keywords | 偏析現象 / 肥料の流動 / 肥料の粒径分布 / 安息角 / 肥料の繰出し |
Research Abstract |
生産費の低減と高度な施肥設計が可能な単肥利用の積極的促進のため, 混合施与時の偏析作用による層分化から回避する目的で, 肥料毎に繰出し, その後に混合施肥する方法を前程とした施肥機の開発を実施した. 62年度の研究計画と実施結果によって得られた知見は以下のとおりである. (1)施肥法による排出特性と生育:容器から取出し手播きする慣行法では, 散布初期程施与肥料の平均粒径径が大きく, 少残量になる散布後期程粒径は小さくなる. すなわち, 硫安, 熔燐, 塩加を混合した場合は, 後期に熔燐の比率が大になる. また, 機械播きでは手播きと逆に小粒径の熔燐比率が散布初期に多くなる. トウモロコシについて施肥法別に生育調査を行ったところ, 各区の肥料散布ムラ特性の影響が, その生育過程に現れる結果となった. (2)肥料の種別と物性:市販の単肥につき, 粒度分布及び一定口径からの流出時間による流動指数(sec/l・cm^2)は, 小粒径な肥料程及び同一肥料でも小粒径なもの程流動指数は小さく, 流動性が良く, 安息角も小さくなる. (3)単肥混合による偏析現象:ホッパーからの排出は, 流出口近くから順次上層が動いて流出され, 運動部分の外径はほぼ円錐形状を形成する. 異質の肥料を混合し, 排出させると, この上層から下層への運動過程で流動性のよい小粒径のもの程早期に流下する. 流動によるものと, 振動によるもぐり現象による層分化があり, 実際の施肥機においてはこの両者が助長し合う. (4)分離型施肥ユニットの開発:繰出し部についての実験結果に基づき, ロータリータイプの繰出し部をもつ施肥ユニットを三連組みとして1セットとなる施肥装置を開発した. 調節量と排出量の直線的関係を重要視し, 排出幅の調節で施肥量の調節を行い得るようにした. 各ホッパーの大きさは, 市販の1袋20kgが入る大きさの25lとした. この施肥機を利用した栽培試験について63年度実施の予定としている.
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