1988 Fiscal Year Annual Research Report
単肥利用による精密施肥法と分離繰出し型施肥機の開発に関する研究
Project/Area Number |
62560245
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Research Institution | Niigata Univ. |
Principal Investigator |
伊藤 道秋 新潟大学, 農学部, 助教授 (20001464)
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Keywords | 単肥の分離施用 / 肥料繰出し機構 / 分離繰出し型施肥機 |
Research Abstract |
低廉な単肥の適切な組み合わせ施用で生産費の低減と高度な施肥設計が可能になる考え、単肥混合施用で回避できない容器内での層分化を、分離繰出し方式で解決を図ることとした。 前年に引続き実施した研究の成果を要約すると以下のようになる。 (1)昭和62年にトウモロコシで行った慣行の混合施肥法と分離施肥法による生育への影響を63年度は大豆について栽培試験を行った。施肥時の散布ムラは機械施用と手撒きによって特徴的相違として発生し、生育、収量調査の結果、散布時の混入比率に大きなムラのあった溶燐の過不足による影響が見られた。すなわち、分離施用区及び機械施用の作業初期(容器残量大)と手撒き作業後半(容器残量小)の収量が高くなった。 (2)施肥機の主要部となる繰出し機構部について各種繰出し部の排出特性を検討し、高い性能を示した試作の羽根車式(直径51.2〓の胴に6.7〓高さのブレード6枚配置)を試作機の繰出し部へ組み込むこととした。この装置は、羽根車の作用幅を変え(2〜5〓)排出量を調節するが、繰出し性能は各肥料とも幅と排出量の関係、また回転数が20〜50rpmの範囲で直線的関係となった。この両者の調節範囲の中で分離型とした時の1単肥当りの施肥量に相当する排出量が確保できることが分かった。 (3)本研究の最終目標として試作した分離繰出し型施肥機は、1畦当り3種の肥料が利用できるように、3ユニット1組とし、それを3組の3畦用である。ホッパー容量は1個当り15〓とし、3畦で各種作物を想定しても1回の補給で10aの施肥が可能である。各肥料毎にホッパー、繰出し部を配置し複雑化した嫌いはあるが、各肥料が圃場内で均一に撒かれるという決定的特徴を有すること、生産現場において煩雑とされている事前の配合、混合作業が省かれることなど作業性の面でも効果を得た。
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Research Products
(1 results)