1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62560270
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
藤原 昇 九州大学, 農学部, 助教授 (60150512)
|
Keywords | 鶏 / 七面鳥 / 精子 / AIB / 2DG / 個体間差異 / MDA / 膜 |
Research Abstract |
鶏および七面鳥の精子を比較検討した場合、とくに膜の機能に関しては両者間に著しい相違のあることが明らかにされた。家禽精子の場合、一羽当たり採取される精液の量が些少であるため、数羽の雄鳥から採精してそれを混合して使用するのが通例である。したがって雄鳥各個体から得られた精子(液)について個別に検討した報告は少ない。そこで本研究では鶏および七面鳥精子の膜の機能を比較すると共に、雄鶏各個体から採取した精子の機能をそれぞれについて検討し、精子の体外保存とこれらの関係を追究した。得られた成果を要約すると次の通りである。(1)非代謝性のアミノ酸であるα-アミノイソ酪酸(AIB)の取り込みを鶏および七面鳥精子で比較すると、鶏精子の取り込みの量が多かったが、取り込み速度は両者ともほぼ同程度であった。したがって、膜の機能に関して鶏と七面鳥精子との間に差異のあることが確認された。(2)AIBの他にグルコースの一種である2DG(デオキシグルコース)の取り込みを検討したところ、雄鶏個体間で精子の膜の機能に大きな差異のあることが観察された。とくに2DGの取り込み量に関して個体間変動が顕著であった。とりわけこれらの物質を添加した直後に精子に取り込まれる2DGの量は極めて多量であった。(3)つぎに精子を体外保存する際の保存温度によってAIBあるいは2DGの取り込みが変動する事が確認され、低温になるに従って両者の取り込み量が減少した。(4)一方、精子保存中に見られる過酸化脂質(MDA)は、精子希釈(保存)液の種類によって大きく相違し、精漿あるいは血液保存用液にMDA産生に対する抑制作用のあることが観察された。(5)またカルシウム、クエン酸等を添加するとMDA産生は抑制され、しかも精子の活力、受精能力は保持された。しかし、家畜および家禽精子の凍結保存剤としてのグリセリンとDMSOにはMDA抑制効果はなかった。
|
Research Products
(5 results)
-
[Publications] Fujihara,N;H.NIshiyama;O.Koga.: Anatomishcer Anzeiger Jena. 167. 245-252 (1988)
-
[Publications] Fujihara.N;H.Nishiyama;O.Koga.: Zoological Science. 6. (1989)
-
[Publications] Fujihara.N;O.Koga.: Anatomishcer Anzeiger Jena. 168. (1989)
-
[Publications] Fujihara.N;H.Nishiyama;O.Koga.: Zoological Science. 6. (1989)
-
[Publications] Fujihara.N;H.Nishiyama;O.Koga.: Proceedings og IV International Congress of Andrology. 4. (1989)