1987 Fiscal Year Annual Research Report
筋原線維を構成する高分子蛋白質に対するモノクロナル抗体の調製
Project/Area Number |
62560281
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
鈴木 敦士 新潟大学, 農学部, 教授 (40018792)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池内 義秀 新潟大学, 農学部, 助教授 (90168112)
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Keywords | 筋肉蛋白質 / 筋原線維 / 食肉の軟化 / コネクチン / Z-nin / コネクチンのモノクロナル抗体 |
Research Abstract |
コネクチンの作る網目構造の脆弱化が死後硬直の解硬・食肉の軟化の一因となるという考え方と, コネクチンの量は貯蔵中に変化しないので食肉の軟化とは関係しないのではないかという考え方がある. 最近, nativeな状態のコネクチンを分離する方法が発表され, 貯蔵筋肉内でのコネクチンの量的・質的変化を再検討する必要が生じてきた. 本研究では, と殺直後の家兎胸最長筋からnativeなコネクチンの分離精製を試み, あわせて死後貯蔵中の変化を研究した. その結果, 家兎胸最長筋から純度の高いコネクチンの単離に成功した. コネクチンの収量は, と殺直後の筋肉からに比べて貯蔵筋肉中で増加する傾向が認められた. 精製コネクチンの性状を電子顕微鏡で観察した結果, 貯蔵筋からのコネクチンは, と殺直後の筋肉からのコネクチンに比べて細分化しやすいことが認められた. コネクチンの作る網目構造が食肉の柔軟性に何らかの関連性をもつと考えるならば, 貯蔵中に網目構造が量的・質的変化を起こし細分化しやすくなるということは, 食肉の軟化, 熟成を考える上で無視することはできない. 次に, 家兎胸最長筋より分離精製したnativeコネクチンを腹腔に注射して免疫したマウス脾臓のリンパ球を採取し, 酵素欠損を有するマウス骨髄腫細胞から選択した抗体産生能の高い株とポリエチレングリコールを用いて融合させ, 炭酸ガス培養器内で培養し, コネクチンに対するモノクロナル抗体を産生する株を検索しているが, 現時点ではまだ良い結果が得られていない. 筋原繊維を構成するもう1つの高分子蛋白質であるZ-ninについては, nativeな状態での分離が難しいことが明らかになったため, 変性状態の標品を使い, モノクロナル抗体の調製を試みる予定である.
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Research Products
(1 results)