1988 Fiscal Year Annual Research Report
鶏における体蛋白質合成と分解の飼料蛋白質栄養価との関連に関する研究
Project/Area Number |
62560283
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
奥村 純市 名古屋大学, 農学部, 教授 (10023425)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村松 達夫 名古屋大学, 農学部, 助教授 (60166303)
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Keywords | 蛋白質代謝回転 / 蛋白質合成 / 蛋白質分解 / 産卵鶏 / メチオニン / リジン |
Research Abstract |
単一必須アミノ酸不足について、飼料の第1制限アミノ酸、第2制限アミノ酸となり易いメチオニンとリジン不足飼料が産卵鶏の体全体および各組織の蛋白質代謝回転におよぼす影響について調査した。実験は要求量の約60%を含むメチオニン不足飼料と、要求量の約35%を含むリジン不足飼料を産卵鶏に2週間自由摂取で給与した後、体全体および肝臓、卵管膨大部および膨大部以外の卵管の蛋白質合成量を測定した。体全体の蛋白質合成量は、雨不足区で対照区よりともに有意に低下した。各組織でも雨不足区においては対照区に比べ合成量は低下したが、その影響は卵管においてより強く認められた。これは、アミノ酸欠乏飼料を給与すると産卵率が減少、卵白蛋白質合成が主な役割である卵管に強く影響がでたためであると考えられた。これらの結果より、単一アミノ酸欠乏による体蛋白質の損失は、ニワトリヒナで示されたと同じように、また蛋白質欠乏飼料給与と同じように、蛋白質合成の抑制によって導かれることが示された。また、このような蛋白質合成量の低下は。RNA対蛋白質比の低下ばかりでなく、RNA含量も低下することが示された。従って必須アミノ酸の飼料中の欠乏によってRNA合成の制御が行なわれていることが示唆された。メチオニンまたはリジン欠乏による肝臓および卵管における蛋白質合成量の低下は、体全体の蛋白質合成量の低下のかなりの部分を説明出来ることが示された。
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Research Products
(1 results)