1988 Fiscal Year Annual Research Report
各種動物の回腸縦走筋標本の高K^+収縮に対するリチウムイオンの抑制作用
Project/Area Number |
62560301
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Research Institution | Nippon Veterinary and Life Science University |
Principal Investigator |
浦川 紀元 日本獣医畜産大学, 獣医畜産学部, 教授 (10011834)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 一政 日本獣医畜産大学, 獣医畜産学部, 講師 (80060531)
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Keywords | リチウムイオン / モルモット回腸縦走筋 / 高濃度カリウム / 細胞内カルシウムレベル / カルシウム拮抗薬 / スキンドファイバー |
Research Abstract |
モルモット回腸縦走筋を用いて各種収縮薬に対するリチウムイオンの抑制効果ならびに各種弛緩物質の影響を観察し、リチウムイオンの抑制作用の機序について検討した。各種収縮薬(高濃度カリウム、カルバコール、ヒスタミンおよびA23187)による収縮はリチウムイオンの適用によりいずれも抑制され、その抑制効果はリチウムの濃度に依存して増大した。また、これらの収縮薬に対するリチウムイオンの抑制効果に差はなかった。さらにリチウムイオンによる抑制効果はいずれも外液カルシウム濃度の増加によって拮抗されたが、いずれも非競合拮抗型を示した。一方、カルシウム蛍光指示薬であるFura2を用いて細胞内カルシウム濃度と張力の変化の同時測定を試み、高濃度カリウム収縮に対する各種弛緩物質の影響をみた。EGTAおよびニフェジピンの適用により高濃度カリウム収縮は時間の経過とともに抑制され、高濃度カリウムにより増大した細胞内カルシウム濃度の減少が認められた。しかしながら呼吸抑制剤のモネンシン、ウワバインおよびリチウムイオンの適用により高濃度カリウム収縮は抑制されたが、細胞内カルシウムレベルは有意に抑制されなかった。リチウムイオンによる張力と細胞内カルシウム濃度変化の間の相関がみられないことから、スキンドファイバーを用いて収縮蛋白系に対するリチウムイオンの影響を試みた。その結果リチウムイオンが収縮蛋白系を抑制する可能性が示唆された。
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Research Products
(2 results)