1988 Fiscal Year Annual Research Report
山羊の培養乳腺細胞における有用物質遺伝子の導入と発現に関する研究
Project/Area Number |
62560311
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
立山 晉 宮崎大学, 農学部, 助教授 (90041003)
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Keywords | 培養 / 山羊 / 乳汁 / 上皮細胞 / コラーゲンゲル |
Research Abstract |
昭和63年度は、62年度に平板培養して得られた山羊乳汁由来の乳腺上皮細胞を、より生体に近い環境を作り出すといわれているコラーゲンゲルを培養基質として用いて培養し、その増殖形態、増殖態度について検討を加えた。即ち、コラーゲンゲルを用いた培養法としては培養血にコラーゲンゲルを付着固定したままその上で培養する方法と、前記の方法である程度まで培養した後ゲルを培養皿から遊離して浮遊状態にしたまま培養する方法、及びコラーゲンゲル内に細胞を埋没して培養する方法の3種である。これらの増殖した細胞は通常の位相差顕微鏡の他に電子顕微鏡的及び免疫組織化学的に検索した。 固定したコラーゲンゲル上に培養した場合、細胞は前回の平板培養と同様に伸長した細胞形態と変形状を示した。コラーゲンゲルを培養液中に浮遊したフローティングコラーゲンゲル上で培養した場合には、細胞は円形化し、生体内におけると同様の形態を示した。コラーゲン内で培養した場合、細胞は増殖を止め、次第に変性していった。以上のことより、山羊乳腺上皮細胞をコラーゲンゲルを用いて培養する場合には、浮遊培養法が最も適していると考えられるが、埋没したものについては間質の線維芽細胞が無いため、種々の補助的役割がなされなかったためであろうと考えられ、線維芽細胞との同時培養も検討してみる必要がある。また、今後、ホルモン等の成長或いは分化促進作用を持つ物質の添加による変化も検討する必要があろう。
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