1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62570002
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
渡辺 皓 山形大学, 医学部, 助教授 (80004662)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
外崎 昭 山形大学, 医学部, 教授 (90004572)
鷲岡 宏 山形大学, 医学部, 助手 (20091845)
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Keywords | コリン作動性シナプス / シナプス受容体 / ギャップ結合 / 細胞骨格 / 自律神経節 / 副腎クロマフィン細胞 / 凍結割断法 |
Research Abstract |
1.ウシガエルおよびモルモット副腎のクロマフィン細胞にみられるシナプス構造:いずれのシナプスもニコチン性受容体を備えるとされているが、双面レプリカ法による観察から、シナプス後膜のP面に膜内粒子の特異集合が認められ、動物種間に差違を認めることができなかった。これらの膜内粒子の分布様式と大きさが、すでに報告したウシガエル交感神経節のそれと極めて類似の特徴を示すことが明らかになった。従って、本研究で示された後膜の膜内粒子の構造特異性は、自律神経系のニコチン性シナプスにおける一般的特徴であると考えられる。 2.ギャップ結合の裏打ち構造とその機能的意義:ニワトリ毛様体神経節のシナプスには、化学シナプスと共に電気シナプスとしてのギャップ結合が形成される。このギャップ結合は、明らかに分化した裏打ち構造を備えているが、超薄切片法による観察から、この構造はギャップ結合の機能単位をなすコネクソンの代謝機構に深く関与する細胞骨格構造であることを証明した。また、同様の裏打ちを備えたギャップ結合が、ウシガエルおよびモルモット副腎のクロマフィン細胞間に認められた。これらのギャップ結合はシナプス部の付近に形成されることから、クロマフィン細胞間の興奮伝播に関与するものと予想される。ここにみられるギャップ結合の裏打ち構造は明瞭な構築を示し、生化学的にその存在が知られているフォドリン、アンキリン、プロテイン4・1などの細胞膜結合蛋白により構成されるものと考えられ、現在、免疫組織化学的検索を進めている。 3.免疫組織学的方法による伝達物質の同定の試み:GABAおよびAChの抗体を用いて脊髄のシナプスにおける伝達物質の同定を試みたが、市販の抗体の反応特異性に問題が多く、反応産物の局在を電顕的に証明することができず、今後の課題として残された。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Hiroshi,Watanabe: Acta.Anat.Nippon.63. 371 (1988)
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[Publications] Hiroshi,Washioka: J.Electr.Microsc.37. 256 (1988)
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[Publications] Hiroshi,Watanabe: Proceedings,3rd.International Symposium and School of Histochemistry and Cytochemistry,Varna(Bulgaria). 76 (1988)
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[Publications] Hiroshi,Watanabe: Tohoku J.exp. Med.156. 175-190 (1988)
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[Publications] Akira,Tonosaki: Neurosci. Res.(1989)
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[Publications] Hiroshi,Watanabe: (1989)