1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62570020
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
浜崎 正雄 久留米大学, 医学部, 講師 (70098903)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
猪口 哲夫 久留米大学, 医学部, 助教授 (90080556)
村上 正浩 久留米大学, 医学部, 教授 (50080552)
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Keywords | コラーゲン原線維 / サブユニット / 右巻き螺旋配列 / エストロジェン / 未分化型の精祖細胞 / 分化型の精祖細胞 / 分裂促進作用 |
Research Abstract |
本年度の研究実施計画を次のように設定していた。1.結合組織の走査電顕(SEM)観察手技を検討する。2.霊長類精祖細胞(Spg)の超微形態とその地理的配列 1の項目についてはSEM観察手技をほぼ確立し、その成果を電顕学会で発表し、また、"細胞"に投稿した。特に、今回の研究ではコラーゲン原線維内に実在するサブユニットをSEMで初めて観察した。右巻き螺旋状に配列したサブユニットと直線状に並ぶサブユニットを見出し、これらが共にコラーゲン原線維の太さの増大に関与する可能性を論じた。2の項目については精細管基底部にあるSpgをSEMで撮ることが必要条件となる。著者らは2〜3の精細管でSpgをSEMで見出したが、ルーチンに観察するまでにはSEM手技が完成していない。このため、来年度に予定していた項目、3、エストロジェン投与による精上皮の影響、を本年度の項目として繰り上げ、電顕レべルで調べた。この研究ではSpgの形態やその配列に従ってA型とB型にSpgを大別した。分裂しつつある両型のSpg像は非常に短い分裂持続時間のために正常ラットの精細管では通常観察困難である。しかしながら、エストロジェン投与時にはB型のSpgが高頻度に分裂していた。分裂しつつある細胞は大型の類円形またはヒョウタン形の外形を示した。一方、B(分化)型のSpgに比べて、A(未分化)型のSpgは目に見える程著明な分裂像を現わさなかった。これらの事実から、エストロジェンは少なくともB(分化)型のSpgに対しては分裂促進作用"mitogenic action"を誘発しうるものと考えられる。これらの結果をローマの学会で口頭発表した。また、その論文内容が英文専門書の中で近々、報じられるであろう。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 浜崎正雄: 細胞. 20. 531-535 (1988)
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[Publications] 浜崎正雄: 医生物走査電顕. 17. 102-104 (1988)
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[Publications] M.Hamasaki: VIII International Symposium on Morphological Science. 174 (1988)
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[Publications] M.Hamasaki: J.Electron Microsc.37. 254 (1988)
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[Publications] M.Hamasaki: In:Development in Ultrastructure of Reproduction Alan R.Liss. (1989)