1988 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝性小眼球症ラットの外側膝状体核における神経終末の可塑に関する電子顕微鏡的研究
Project/Area Number |
62570023
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
大谷 克巳 千葉大学, 医学部, 名誉教授 (50009073)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉田 昭栄 千葉大学, 医学部, 助手 (50154472)
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Keywords | 遺伝性小眼球症 / ラット / 外側膝状体核 / 上丘 / ゴルヂー法 / HRP法 / 神経終末 |
Research Abstract |
本研究を総括すると下記の三項となる。 1.本研究に使用する遺伝性小眼球症ラットは、兄妹交配により継代育飼し、現在(1989年1月)18代を迎えることができた。近く20代を数えることができそうであるが、その時には純系の小眼球症ラットとして国際的な登録が可能となる。 2.先に行った外側膝状体背側核(LGNd)、視床後外側核(LP)および今回の外側膝状体腹側核(LGNv)の計3核と上丘(SC)との関係を見ると次のことが判明した。すなわち(1)小眼球症ラットのLGNd,LGNvおよびSCの大きさの減少は著しかったが、LPのそれは軽度であった。次に(2)LGNd,LGNvおよびLPにWGA-HRPを1側性に注入し、上丘でそれらの核に投射する起始細胞をみると、tecto-LGNdニューロンはSCの浅灰白層(SGS)の上部に、tecto-LGNvのそれはSGSの下部および視束層(SO)浅部に、tecto-LPのそれはSOの深部に、それぞれ層を成して局在した。また(3)陽性細胞数は、tecto-LGNdで正常の3%、tecto-LGNvで30%、tecto-LPで50%となった。 3.小眼球症ラットの外側膝状体背側核および複側核の神経細胞の大きさは、正常例のそれに比べて小さく、また樹状突起の広がりも狭く、分枝も少なかった。このようなことから、小眼球症ラットのこれらの核において、神経終末にもかなりの変化があることが予想された。しかし、急性実験で見られるような神経終末の変性像は全くなく、さらに神経終末の萎縮および数の減少も電子顕微鏡下で確認できなかった。
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[Publications] K.Otani,;S.Sugita,: First Korea-Japan Anatomical Joint Meeting,Pusan Seminar,October 22,1988.Okajimas Fol.Anant.JPN. (1989)
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[Publications] S.Sugita,;K.Otani,;N.Toyonaga,;K.Tanaka: Neurosci.Res.(1989)