1988 Fiscal Year Annual Research Report
海馬領域におけるエネルギー代謝の層的相違に関する研究
Project/Area Number |
62570031
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Research Institution | Kagawa Medical School |
Principal Investigator |
島田 眞久 香川医科大学, 医学部, 教授 (00084830)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今林 富男 香川医科大学, 医学部, 助手 (40145040)
尾崎 宏基 香川医科大学, 医学部, 助手 (00152471)
霜野 良一 香川医科大学, 医学部, 助教授 (30131337)
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Keywords | マウス / 海馬 / GFA / ABC-DAB法 / cell counting |
Research Abstract |
前年度の〔^3H〕-2-deoxyglucoseおよび^3H-glucoseによるfreeze-mount microautoradiagraphyの結果より、海馬領域におけるエネルギー代謝の層的相違を左右する要因として、astrogliaの関与が強く示唆されたので、本年度はglial fibrillary acid protain(GFA)を用いて、ABC-DAB法により免疫組織科学的にマウス海馬におけるGFA-positiveのastrogliaを染色し、その層的分布状態を形態学的・数量的に観察した。数量化は、gliaの突起が細長く伸びているため、画像解析上互いに連なって見られるので、各部位ごとに写真撮影を行ない、各層の面積測定後に柱を含む胞体を有する細胞のみを数えた。各例について10枚数えたものを通算して平均化した。以下に述べる数値は3例のうちの1例であるが、他の2例についても同様の結果が得られている。間脳レベルでの厚さ40μの冠状切片について見ると、海馬でのastrogliaが他の脳神経に比し、最も良く染色されており、大脳新皮質には散在性にしか認められなかった。海馬での層間の分布状態は、形態的にも数量的にもかなり異なっていた。すなわち上昇層、放射状層、歯状回の分子層のastrogliaは、太い突起が垂直方向に長く伸びたものが多いが、分子-網状層では細く短かい突起が放射状に出ているものがほとんどである。歯状回の顆粒細胞層には、細い突起が多数、細胞間を通過しているのが観察され、歯状門に接している所では、時に密に突起の線維が存在していた。数量的には、分子-網状層が最も有意に高く、歯状回の分子層がこれに次ぎ、錐体細胞層と顆粒細胞層にはほとんど認められなかった。各層間のastrogliaの数(cells/mm^2±SEM)は次の通りである。上昇層:2256±35、錐体細胞層:180±26:放射状層:1538±19、透明層:1450±75、分子-網状層:2872±77、分子層:1804±46、顆粒細胞層:91±8、歯状門:1412±30。以上の結果は、透明層と歯状門を除いては2-deoxyglucoseのオートラジオグラムの結果と良く一致している。
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Research Products
(1 results)