1987 Fiscal Year Annual Research Report
培養細胞の1価陽イオン輸送に関連する血清増殖因子と細胞膜受容体機構に関する研究
Project/Area Number |
62570042
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
宮本 博司 徳島大学, 医学部, 教授 (50088514)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池原 敏孝 徳島大学, 医学部, 助手 (40111033)
細川 敬子 徳島大学, 医学部, 助手 (10116858)
山口 久雄 徳島大学, 医学部, 助教授 (90035436)
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Keywords | HeLa細胞 / 無血清培養液 / 1価陽イオン輸送 / 透析血清 / Rb^+ / 増殖因子 / 細胞内1価イオン / 細胞膜受容体 |
Research Abstract |
透析した仔牛血清中には, HeLa細胞の増殖刺激作用を有する成分が含まれることを以前に報告した. この血清成分を明らかにするため, K^+のすべてをRb^+に置換した無血清合成培養液を作製した. この培養液中で細胞を培養すると, 細胞増殖が強く抑制されるが, これに透析血清を添加すると, 明らかに増殖抑制の軽減効果がみられた. そこで仔牛血清を透析後, セファクリルS300によるゲルろ過とDEAEセファロースCL6Bによるイオン交換クロマトグラフィーを用い, 分子量とイオン吸着性にもとづき, 4つの分画に分けた. なお実験は, プラスチック製のマルチウエルディッシュを用い, 血清を含む通常の増殖培養液中に細胞を24時間培養後, 先に分けた4つの分画を各々含むK^+のすべてをRb^+におきかえた4種の無血清合成培養液に置換し, 24時間毎に試料を採取し, 72時間までincubateした. このとき, 細胞増殖度はウエル中の細胞数で示した. この実験によると, 4つの分画のうち特に分子量の比較的低い分画にその効果が高かった. なおこの成分についてさらに種々の分画方法を用い, その成分の同定を現在行っているところである. また, この透析血清成分は, 先にウワバイン非感受性Na^+ influxの増加をもたらすことを報告したが, 今回Rb^+を用い, ウワバイン非感受性のK^+取り込みに対するこの血清成分の作用を調べたところ, フロセミド感受性成分および非感受性成分の両者とも有意な変化がみられなかった.
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Research Products
(5 results)
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[Publications] T. Ikehara: J. Physiol. Soc. Japan. 49. 332 (1987)
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[Publications] H. Yamaguchi: Biochim, Biophys, Acta. 922. 78-84 (1987)
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[Publications] Tanaka: Biochim. Biophys, Acta. 922. 85-94 (1987)
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[Publications] T. Ikehara: Biomedical Research.7. 197-198 (1987)
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[Publications] T. Ikehara: Cell Struct. Funct.12. 716 (1987)