1987 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62570065
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
平井 直樹 日本大学, 医学部, 助教授 (40086583)
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Keywords | 小脳 / 前庭反射 / 頸反射 / 平衡機能 / 姿勢反射 / ネコ |
Research Abstract |
小脳第一小葉は強力な前庭・頚部求心系の投射を受ける. そこで第一小葉は従来からいわれているような"尾"に関連した部位というよりは, 姿勢制御に関与する部位ではないか, という考えに基づき, ネコで, 第一小葉への各種求心系入力の空間的分布, 第一小葉刺激・破壊による姿勢維持への影響を明らかにすることを目的として実験を行った. 1.前庭・頚・尾部求心神経に電気刺激を加え, 第一・二小葉で誘発される電場電位を記録した. 前庭・頚求心系は第一小葉で常に同部位に投射していたが, 尾部求心系は第二小葉で優性であった. 2.正常ネコで, 実験台に設置した四つのロードセルの上に立たせ平衡を維持させたまま前方に置いたLEDを注視させたり, 光刺激の移動に追随する頭部運動ができるように訓練し, この時の体重移動を記録したコントロールのデータを得た. 3.第一小葉のプルキンエ細胞を微小電極作製器で作製したガラス管微小電極に封入したカイニン酸で破壊したところ, これらの動物では前庭症状に似た平衡異常を呈したひと月以上にわたりロードセルの上ばかりでなく床の上でも直立することが不可能であったため定量的解析は出来なかった. 4.第一小葉破壊動物においては, さらに正常動物でみられていた. Placing Refiex Hopping Refiexが消失した. これと似た症状はManzoni(1979)により頚部求心系切断時にもみられることが報告されている. 5.以上のことから, 第一小葉の前庭・頚反射へのかかわりが強く示唆された. 第一小葉破壊後にみられる異常を更に解析するためには, 第一小葉への求心系の解析に加えて, 今後出力系の解析が必須のものと考え, 特に第一小葉から抑制性影響を受ける前庭神経核細胞の性質について明らかにしたい.
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Research Products
(4 results)
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[Publications] N.Hirai: Neuroscience. 22(SUPPL.). 291 (1987)
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[Publications] N.Hirai: International Symposium on Basic and Applied Aspects of vestibular Function. 12 (1987)
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[Publications] 内野 善生: 感覚統合研究. 4. 1-12 (1987)
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[Publications] B.Peterson: "Control of Head Movements" Oxford University Press, 200 (1987)