1988 Fiscal Year Annual Research Report
脊髄Iaシナプス伝達調節機構の薬理学的生化学的検索
Project/Area Number |
62570084
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
宮田 雄平 日本医科大学, 医学部, 教授 (00014275)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斉藤 文子 日本医科大学, 医学部, 助手 (50142526)
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Keywords | 可塑性 / シナプス / 栄養物質 / 電気的活動 |
Research Abstract |
科学研究費補助金交付年限内における研究目的は(1)軸索切断後のシナプス増強は蛋白合成促進の結果であるのかを薬学的手段により検索し、および(2)EPSPを増強する因子の生化学的検索であった。 1.薬理学的検索 ラットを用い末梢筋神経を切断しアクチノマイシンDを投与しておくと術後初期のEPSPの増大は阻止された。このことは、軸索切断後のEPSP増大はシナプスの伝達に必要な物質(蛋白)の合成が新たに促進した結果であることを示す。軸索を切断したラットロマイトマイシンを投与しておいてもEPSPの増大は阻止されなかった。このことは、軸索切断後のEPSP増大ロシュワン細胞の分裂が関与していないことを示す。 2.生化学的検索 一連の研究の論理的帰結としてシナプス伝達増強因子の存在を仮定したが、その物質としての基礎を確立するためにその物質の分離同定が必要である。その物質は筋肉で産生されIa感覚線維に取り込まれ軸索流で細胞体に運ばれ、供給が無くなると枯渇すると仮定される。この仮定の条件を満足する物質を二次元電気泳動法で検索した。軸索を切断するとかなりの数のスポットが変動し、上記条件を満たすスポットも多い。個々のゲルのトレースを行い泳動パターンを比較検討中である。 3.その他 軸索切断効化が、興奮性のIaシナプスだけであるか否かを検討した。感覚線維種を特定できていないが、抑制性シナプス後電位は術後3日目には減弱する傾向が見られた。
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