1988 Fiscal Year Annual Research Report
組織特異的形質発現に関与するプロモーター領域結合タンパク質の検索と精製
Project/Area Number |
62570102
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Research Institution | Toyama Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
小川 宏文 富山医科薬科大学, 医学部, 助教授 (30111743)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤岡 基二 富山医科薬科大学, 医学部, 教授 (30030000)
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Keywords | ラット肝酵素 / セリン脱水酵素 / クローニング / 遺伝子の構造 / コンセンサス配列 / アミノ酸配列 / 試験管内転写実験 / 核抽出液 / スレオニン脱水酵素 |
Research Abstract |
本テーマの遂行に当たり、既に得られているラット肝グリシンメチラーゼやアデノシルホモシスティナーゼcDNAの他に、当室で研究を行ってきた誘導酵素、セリン脱水酵素の遺伝子を材料とすることは更に有用と考えられたので、本酵素のcDNAのクローニングを行った。ラット肝cDNAを持つ発現ベクターλgt11から、抗体法でスクリーニングを行った。5個の陽性クローンの内、1個が真のクローンであることがハイブリドセレタト翻訳法から示された。塩基配列の決定、及びタンパクの部分構造から、本酵素は362個のアミノ酸からなるダイマータンパクであることが分かった。このcDNAをプローブとしてmRNAの大きさをみたところ、1500塩基が推定できた。また高タンパク食と無タンパク食で飼育したラット肝からmRNAを抽出し、ゲルブロットを行ったところ、後者のサンプルには本mRNAが検出されなかった。これはmRNAの合成が転写段階で調節されていることを示唆するもので興味深い。次にcDNAをプローブとして、遺伝子クローンを分離することに成功した。塩基配列の決定から、本遺伝子は9個のエクソンと8個のイントロンからなることが分かった。各エクソンとイントロンの境界はGT/AGの法則に従っていた。この遺伝子の5'側上流には、他の遺伝子の転写調節に重要であるといわれているいくつかのコンセンサス配列に類似の配列が見出された。例えばグルココルチコイド応答配列 (-2240と-240) 、CAACbox、SV40エンハンサーコアモチーフなどである。本遺伝子のプロモーターの機能を調べるために5'側に隣接する部位をクローニングし、更に部分的にこの領域内の配列を欠く、プラスシドをつくり、種々のエサで飼育したラット肝の核抽出液を用い試験管内転写実験をおこなっている。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Ogawa et al.: Proc.Natl.Acad.Sci.USA. 85. 694-698 (1988)
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[Publications] Ogawa,H.;Fujioka,M.: Nucl.Acids Res.16. 8715-8716 (1988)
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[Publications] Ogawa et al.: Proc.Natl.Acad.Sci.USA. 85. 5809-5813 (988)
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[Publications] Ogawa et al.: Nucl.Acids Res.16. 10921-10923 (1988)
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[Publications] Ogawa et al.: Biochim.Biophys.Acta.