1987 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62570106
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
野口 民夫 大阪大学, 医学部, 講師 (70135721)
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Keywords | ピルビン酸キナーゼアイソザイム / 組織特異的発現 |
Research Abstract |
解糖系律速酵素ピルビン酸キナーゼは哺乳動物においては, L型, R型, M_1型, M_2型, の4種のアイソサイムが存在し, 組織特異的に発現している. 本研究は, ピルビン酸キナーゼアイソザイムの組織特異的発現を制御する因子の同定と精製を行うことを目的とし, 今年度は以下の点を明らかにした. 1.M_1型とM_2型をコードするM遺伝子の第1エクソンとその上流を含むクローンを単離して, 転写開始点およびプロモーター領域の塩基配列を調べた. 2.M遺伝子の転写開始点は複数存在するが, これらはM_1型とM_2型で同様に使われていた. この結果はM_1型とM_2型のnRNAがM遺伝子からの同一転写産物のスプライシングの違いで精製するという, これまでの仮説を支持するものである. 3.M遺伝子のプロモーター領域はGCに富み, GCボックスが数個存在していたが, TATAボックスは認められなかった. 4.CAT検定法によりM遺伝子発現の制御領域を調べたところ, 転写開始点から上流約1.8kb内に存在することが示唆さた. 5.一方, L型とR型のアイソザイムはL遺伝子から, 転写開始点の違いで精製するが, L型発現の制御領域をCAT検定法により調べた. その結果, L型の転写開始点から上流約1.5kb内に存在することが示唆された.
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