1987 Fiscal Year Annual Research Report
フラビン酵素の動的高次構造と機能との相関性に関する研究
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62570110
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
安芸 謙嗣 徳島大学, 酵素科学研究センター・酵素制御学部門, 教授 (20035405)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松島 明美 徳島大学酵素科学研究センター, 酵素制御学部門, 教務員 (70116862)
前田 和子 徳島大学酵素科学研究センター, 酵素制御学部門, 助手 (60116879)
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Keywords | フラビン酵素 / 動的高次構造 / 酵素活性 / フラビン セミキノン / 限定分解 / 円偏光二色性 / 電子スピン共鳴 / 蛍光偏光解消 |
Research Abstract |
リポ酸脱水素酵素は局所的に構造がゆらいでいることを蛍光の偏光解消法を用いて既に明らかにしている. そこで局所的な構造のゆらぎが起っているドメインを同定するため, (1)蛍光色素ANMで標識した後蛋白分解酵素トリプシンで限定分解を行い, 高速液体クロマトグラフィーでフラグメントを分離精製し, また(2)SH-セファローズに親和標識した後蛋白分解酵素トリプシンで限定分解を行い, アフィニティクロマトグラフィーを用いてフラグメントを分解精製した. このようにして得られたフラグメントの構成アミノ酸をアミノ酸分析計を用いて決定し, このフラグメントが存在するドメインを同定した. 一方, フラボシトクロームb_2からフラビン結合ドメインを分離精製する方法を既に確立している. そこでこのフラビン結合ドメインの酵素学的性質を調べた. その結果, まずフラビン結合ドメインでは乳酸の脱水素反応の活性が完全に消失し, NADHの酸化反応の活性が著明に上昇していること, 後者の反応の過程ではフラビンのセミキノンは形成されないことが明らかになった. 次にフラボシトクロームb_2のフラビン モノヌクレオチドと限定分解によって得られたフラビン結合ドメインのフラビン モノヌクレオチドの円偏光二色性を比較し, 両者の間でフラビン モノヌクレオチドの構造が顕著に変化していることが明らかになった. 以上の基礎的知見を基にして次年度にはフラビン酵素の機能発現における動的高次構造の役割について分子論的に研究を進展させる計画である.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Kazuko Maeda, Kenji Aki: J. Biochem.
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[Publications] Akemi Matsushima, Kenji Aki: J. Biochem.