1987 Fiscal Year Annual Research Report
ミクロゾームのグルコース6-リン酸酸化経路の調節と生理的役割の解明
Project/Area Number |
62570115
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
南里 宏樹 九州大学, 医学部, 助手 (80150415)
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Keywords | ミクロゾームグルコース6-リン酸酸化系路 / 酸化的ストレス / グルコース6-リン酸透過系 |
Research Abstract |
ミクロゾーム内腔にあるグルコース6-リン酸酸化系路の生理的役割について検討し, この酸化系が酸化的ストレス時に働き始めること, またG6Pに特異的な透過系がこの反応に関与していることを次に述べる結果より明らかにした. 1.〔1-^<14>C〕G6Pからの^<14>CO_2生成を指標にG6P酸化活性を測定すると, dimethylamide,methylene blue,cumene hydroperoxideによる酸化的ストレスを与えると, G6Pの酸化は5〜8倍に上昇した. 2.これらの酸化剤による活性の上昇には, Glutathione Reductase,Glutathione Peroxidoseの関与が示唆された. 3.Glutathione Reductaseは実際にミクロゾーム内腔にも存在することが明らかになった. 4.G6Pの酸化は, ミクロゾーム膜のG6P透過系の阻害剤であるDIDSによって阻害され, この阻害はG6Pの添加で回復するが, Mannose6-リン酸では回復しなかった. 以上の結果より, ミクロゾーム内腔にあるG6P酸化系路は, Glutothione Reductase,Glatathione Peroxidaseと共に, 酸化的ストレスに対する防御機構として, ミクロゾーム膜の過酸化反応による障害防止などに役立っていることが考えられる.
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[Publications] 日野幸伸: J. Biol. Chem.257. 25632568 (1982)
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[Publications] 日野幸伸: J. Biochem.92. 547-557 (1982)
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[Publications] 日野幸伸: J. Biol. Chem.258. 1415-1418 (1983)
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[Publications] 日野幸伸: Biochemistry. 24. 800-805 (1985)
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[Publications] 日野幸伸: Eur. J. Biochem.165. 195-199 (1987)