1988 Fiscal Year Annual Research Report
腎のプロスタグランジンE_2受容体の精製と生理的・病態生理的意義
Project/Area Number |
62570125
|
Research Institution | University of Tokyo |
Principal Investigator |
渡辺 毅 東京大学, 医学部, 助手 (80158641)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀江 行雄 東京大学, 医学部, 助手 (40211552)
寺本 民生 東京大学, 医学部, 助手 (20133077)
清水 孝雄 東京大学, 医学部・栄養学, 助教授 (80127092)
|
Keywords | プロスタグランジン / 腎 / 受容体 |
Research Abstract |
腎におけるプロスタグラン(PG)の作用機構を分子レベルで理解する目的で、腎髄質のPG受容体の精製を試みている。前年度までに確立した方法に基づき、イヌ腎髄質より受容体蛋白を可溶化・部分精製を行い、これをマウスに免疫し、マウスの脾細胞とミエローマ細胞の融合細胞を作製し、その培養上清の抗体活性をブドウ球菌菌体により沈澱させる方法にてスクリーニングを行なった。現在まで、三千近いウェルのスクリーニングを行なったが、陽性の融合細胞は得られなかった。そこで、その原因を未だ免疫原の蛋白の精製度の低いことと考え、現在さらに精製度を上げるため、精製のスケールを上げ改良を検討中である。又、この過程で、この受容体が初め持っていたGTPに対する感受性を失なった部分精製標品を得たので、現在、受容体蛋白とGTP結合蛋白の再構成実験を行なっている。 一方、近年アフリカツメガエルの卵母細胞を利用した発現系により、いくつかの受容体蛋白のcDNAのクローニングが行なわれている。我々も現在、腎髄質より抽出したmRNAを卵母細胞に注入し、発現に関してある程度陽性と考えられる結果を得ている。今後はむしろ、この方向でのアプローチに重点を移して最終目標に向かって研究を進めたいと思っている。
|
-
[Publications] 渡辺毅: 日本臨床代謝学会記録. XXV. 124-125 (1988)
-
[Publications] 渡辺毅: 日本腎臓学会総会 予稿集. 31. 237 (1988)
-
[Publications] 渡辺毅: Biochim.Biophys.Acta.(1989)
-
[Publications] 渡辺毅: "講座プロスタグランジン 6.腎と硬組織 11章 腎のPG受容体" 東京化学同人, 141-148 (1988)