1987 Fiscal Year Annual Research Report
肝ERのG6Pアーゼによるβ-グルコース生成機構と阻害剤による降下の研究
Project/Area Number |
62570130
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
古谷 榮助 大阪大学, 医学部, 助教授 (00028523)
|
Keywords | 潅流肝 / G6Pアーゼ / 活性調節 / G6Pトランスロカーゼ / 1・デオキシグルコース6・りん酸 |
Research Abstract |
1.G6Pトランスロカーゼの精製について;現在までにラット肝ミクロソームをコール酸可溶加した後, SDS-PAGEで数本のバンドにまで精製をおこなった. G6PトランスロカーゼのSH基に特異的に結合するDIDS, およびSH基と結合して蛍光を発するmBBrを使う事により, SDS-PAGEでの本酵素の同定をおこなった. その結果, 分子量約6万の蛋白がG6Pトランスロカーゼである事を同定した. これを指標にさらに精製をすすめている. 2.G6Pアーゼの活性調節とグリコーゲン合成について;ラット肝をインスリン存在下で20mMグルコースで潅流してもグリコーゲンの蓄積はほとんど起こらない. しかし, 2mMフルクトースの添加によって, グリコーゲン合成酵素の活性加とともに, 大巾なグリコーゲンの蓄積の増大が認められた. この時, グリコーゲン合成量は合成酵素活性に比例し, 合成酵素活性はG6Pレベルに比例することが明らかとなった. 2mMフルクトースの添加によって肝細胞内に3〜5mMのFIPの蓄積が起ること, さらにこのFIPがG6Pアーゼを阻害すること(Ki=6.8mM)がフルクトース添加によるグリコーゲン合成促進の原因であると考えられた. in vivoにおいて肝でのG6Pチアーゼ活性を調節する機構が存在しなければならないが, 我々は血中に0.1mM程度存在する1.デオキシグルコース6-りん酸が飽食ラット肝で0.22μmol/g蓄積し, 絶食ラット肝ではほとんど存在しない事を明らかにした. 1・デオキシグルコース6・りん酸はG6Pチアーゼを桔抗的に阻害し, その阻害定数が0.6mMであるのでこのものがG6Pアーゼの活性調整をおこなっていることが強し示唆された.
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] 田川邦夫: ビタミン. 61. 367-372 (1987)
-
[Publications] 西敏夫: 日本臨牀. 569. 101-107 (1988)
-
[Publications] Takami, H.: J. Biochem.104. (1988)