1988 Fiscal Year Annual Research Report
肝ERのG6Pアーゼによるβーグルコース生成機構と阻害剤による血糖降下の研究
Project/Area Number |
62570130
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Research Institution | Faculty of Medicine, Osaka University |
Principal Investigator |
古谷 栄助 大阪大学, 医学部, 助教授 (00028523)
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Keywords | G6Pトランスロカーゼ / グリコーゲン合成 / フルクトース / G6PアーゼのF1Pによる阻害 |
Research Abstract |
灌流肝を用いてグルコースからのグリコーゲン合成については従来数多くの研究がなされてきたが、いずれもin vivoに比べはるかに遅い速度でしかグリコーゲンの合成が起こらなかった。このような結果のために最近ではグルコースからグリコーゲンに至る代謝経路に関して"indirect経路"が提唱されている(KatzらTIBS 11,136(1986))。われわれは灌流肝でグルコースからグリコーゲンが合成されない原因がin vivoで働いたG6Pアーゼの抑制機構が灌流肝では失われたためであると考えた。そこでフルクトースが灌流肝でのグリコーゲン合成を強く促進する作用をもつことに着目し、その促進機構の解明を行なった。各種濃度のグルコースに2mMフルクトースを共存させてラット肝を灌流するといずれの場合もグルコース単独時に比べ著しくグリコーゲン合成速度の増加が認められた。この合成速度の増加に比例してからグリコーゲン合成酵素活性の増加が起こり、またこの酵素活性に比例してG6Pレベルの上昇が認められた。この結果からグリコーゲン合成速度はG6Pレべルによって決定されること、そして灌流肝ではG6Pレベルが低下しているためにこれが起こりにくいことが明かとなった。一方灌流肝にフルクトースを投与すると肝内にフルクトース1・りん酸(F1P)が蓄積するが、G6PアーゼがこのF1Pによって阻害されることが本研究で明らかとなり、フルクトース投与によりG6Pレベルの上昇がF1PによるG6Pアーゼの阻害のためであることが判明した。
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[Publications] 西敏夫,古谷榮助: 日本臨牀. 46. 101-107 (1988)
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[Publications] T.Yamada,;T.Inoue,;T.Nishida,;E.Furuya,;K.Tagawa: J.Biochem.104. 847-850 (1988)
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[Publications] T.Nishi,;Y.Kido,;E.Furuya,;K.Tagawa,;T.Mori: Jap.J.Surg.19. (1989)
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[Publications] T.Nishi,;Y.Kido,;T.Mori,;E.Furuya: Metabolism.