1988 Fiscal Year Annual Research Report
ホルモン・レセプター異常症の発症機序に関する研究-とくにBasedow病を中心として
Project/Area Number |
62570145
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Research Institution | Yamanashi Medical College |
Principal Investigator |
川生 明 山梨医科大学, 医学部, 教授 (30059224)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田坂 捷雄 山梨医科大学, 医学部, 助教授 (40093265)
牛山 寿 山梨医科大学, 医学部, 助手 (60168680)
小林 槇雄 山梨医科大学, 医学部, 助教授 (80060086)
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Keywords | ホルモン / レセプター / レセプター異常症 / 甲状腺 / Basedow病 |
Research Abstract |
2年計画の第2年度は初年度に引続き1.各種自己免疫性甲状腺疾患患者血清中の抗体の結合部位の検討、2.抗TSHレセプターモノクローン抗体の作製、3.標識TSHとTSHレセプターの結合におよぼす抗TSHレセプター自己抗体の影響に関する検討、4.甲状腺瀘胞上皮細胞膜の極性と機能に関する検討を目標として研究を行った。1については、TsAb、TBII、およびTsBAbなどの自己抗体の細胞膜上の結合部位をヒト、ブタ、ラット甲状腺培養細胞を用い、蛍光抗体法間接法によって検出することに成功した。2.についてはブタ甲状腺細胞膜画分に対して反応する抗体産生クローンを2種得ることができたが、そのいずれも標識TSHのレセプターとの結合を阻止せず、したがって抗レセプター活性はないものと判断された。現在、目的とする抗体を得るため、抗原の抽出、精製法の改善を検討中である。3.についてはBasedow病患者血清中のTsAbとTBII活性が標識TSH結合阻止能とよく相関し、したがってこれらの自己抗体がTSHレセプターと直接結合してそれを刺激し、あるいはTSHの結合を阻害することが形態学的にも証明し得ることを明らかにした。さらにTsBAbについても同様の検討を行った結果、TsAbやTBIIほど顕著ではないが、阻害作用のあることがわかった。他方、橋本病患者の抗ミクロゾーム抗体や抗サイクログロブリン抗体は標識レガンドの結合を全く阻害せず、TsAb、TBII、TsBAbの阻害効果が標識レガンドとTSHレセプターとの特異的結合に関係していることを裏付けた。4.については、TSHレセプターの発現と関連して、レクチン結合法と酵素組織化学的検討を行い、極性に関してはRCAレクチンが瀘胞上皮の瀘胞腔面のマーカーとして利用し得ること、酵素活性に関しては甲状腺ペルオキテターゼとγ-GTP活性の発現が逆相関し、前者は内分泌機能の、後者は種痕化の指標となることを明らかにした。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Kawao,A.;Ushiyama,H.;Katoh,Y.;Matsumoto,H.;Moriyama,S.: The Thyroid 1988. 559-562 (1988)
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[Publications] Yamamoto,K.;Katoh,Y.;Matsumoto,H.;Moriyama,S.;Kawaoi,A.: Acta Histochem.Cytochem.21. 455-461 (1988)
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[Publications] Kawaoi,A.: Yamanashi Med.Col.5. 5-21 (1988)