1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62570149
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Research Institution | The Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
藍沢 茂雄 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (10056575)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
猪股 出 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (30057046)
山口 裕 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (60057073)
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Keywords | 免疫電顕 / 免疫組織化学 / 腎 / 生検 / 糸球体腎炎 |
Research Abstract |
1.過去3,500例の腎生検材料に本年約200例が加わり、光顕、電顕的検索と各種免疫グロブリンおよび補体成分の免疫組織化学的検索を続行した。フィブロネクチンやビメンチンについても追加検討した。沈着物の有無や分布ばかりでなく、これらの存在態度が腎生検診断にも有用であり、糸球体の構造の改変を調べる上で優れている。 2.PLP固定材料の免疫組織化学染色、さらにエポン包埋後の免疫電顕法につき検討した。電顕レベルの陽性物質の存在態度は、光顕レベルのそれと大きな異同はなかったが、光顕レベルよりも詳細な反応陽性部位を確認することができた。ただし、反応態度にムラがあり、微弱な部位では判断が難しかった。固定不良のため微細構造の保存はよくない。 3.免疫組織化学(PAP法)で尿細管基底膜や血管壁の沈着物を検索する場合には非特異的反応との鑑別が問題となる。ループス腎炎例を対象として尿細管間質沈着物を検索し、PAP法で37%、電顕で30%と高率に陽性であった。糸球体以外の検索にもPAP法は有用である。 4.ループス腎炎における尿細管間質沈着物の由来・意義を検討した。糸球体の活動性病変に合併して形成される場合と間質性腎炎に合併して出現する場合とに大別され、間質の炎症性反応を惹起する可能性があると思われた。間質型に腎機能低下例の頻度が高かった。 5.膜性増殖性腎炎の小児と成人例の比較を臨床病理学的に検討した。成人例は予後不良が見られ、光顕的所見の糸球体病変と尿細管間質病変ともに頻度が高かった。電顕で小児例にメサンギウム嵌入の吸収像があり、腎組織の易損性や修復能に加令的変化が加わっていると思われた。 6.パラフィン切片あるいはエポン包埋された超薄切片に対するPAP法とABC法は、脱エポンおよび蛋白分解酵素処理などの条件設定に苦労しており、安定した結果を得るまでに至っていない。
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[Publications] Shigeo Aizawa,: Xth International Cibgress of Nephrology. 88 (1987)
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[Publications] 山口裕: 第7回腎臓における酵素抗体法研究会. 4-9 (1988)
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[Publications] 城謙輔: 日本腎臓学会誌. 30. 637 (1988)
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[Publications] 山口裕: 第77回日本病理学会総会. (1988)
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[Publications] Shigeo Aizawa,: XVIIth International Academy of Pathology. 454 (1988)
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[Publications] 山口裕: 腎と透析.
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[Publications] 藍沢茂雄: "Focal and/or segmental lesions,病理学大系15A,腎臓I" 中山書店,飯島宗一 他編,
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[Publications] 藍沢茂雄: "遺伝性腎疾患,病理学大系15A,腎臓I" 中山書店,飯島宗一 他編,