1987 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62570150
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Research Institution | Okinaka Memorial Institute for Medical Research |
Principal Investigator |
遠藤 雄三 沖中記念成人病研究所, 主任研究員 (00124305)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原 満 虎の門病院, 病理細菌検査部, 部長 (60010047)
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Keywords | IgA免疫複合物 / 糸球体障害 / グラム陰性細菌 / ELISA(酵素免疫吸着測定法) / 粘膜免疫系 |
Research Abstract |
1.腎糸球体に沈着したIgA免疫複合物の組織障害性 20例のIgA腎症腎生検ならびに40例の肝硬変症, 20例の突発性間質性肺炎(IIP), 15例のびまん性汎細気管支炎(DPB)の各剖検例腎組織について, 補体terminal components(C5-C9)の有無を検討した. IgAとC3強陽性の免疫複合物がC5-C9の補体因子を伴う場合と, 伴わない場合がある. C5-C9陽性所見のつよさは蛋白尿の程度に深くかかわっている. 2.腎糸球体に沈着したIgA免疫複合物の対応抗原について (1) 肝硬変ならびにIIP, DPB剖検例において, IgAとC3の優位な沈着を示す糸球体変化が高頻度にみとめられる(Endo Y etal.Acta Pathol Jpn 33:333 1983, Endo Y etal.Kidney Intern 29:557, 1986). 沈着したIgAの由来は消化管, 気道系の粘膜免疫系からの可能性が高い. IgAに対応する抗原としては, 消化管系ならびに気道系の細菌が候補としてあげられる. 消化管系からの細菌抗原刺激が血中IgA抗体上昇をひきおこすかどうか検討する目的で, C3H/HeNマウス週1回4週間 大腸菌, 緑膿菌, Klebsiella pnewnoniaeあるいはHemophilus influenzacの死菌108/mlを経口投与した. 死菌を経口投与されたマウス血清中に, 細菌に対応するIgA抗体が上昇し, 対照に比し5〜10倍の抗体価を示した. (Enzyme linked immunosorbent assay-ELISAによる). (2) 肝硬変症4例, IIP1例, DPB2例の腎凍結切片500〜800枚から糸球体溶出液を得て, その中に大腸菌あるいは緑膿菌に対応するIgA抗体を見出した(ELISAによる). 3.今後の研究の展開(1)腎糸球体内沈着IgAに対応する細菌々体成分のエピトープ分析, (2)消化管系あるいは気道系における抗原刺激に対応するIgA担当リンパ球の動態を分析する, (3)免疫複合物のかかわる組織障害性(IgA免疫複合物と補体系)の分析.
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Endo Y. and Hara M.: Clinical Experimental Immunology 投稿中.
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[Publications] 藤藤雄三,原満: 臨床成人病. 10. 1723-1724 (1987)
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[Publications] 藤藤 雄三: 腎と透析. (1988)
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[Publications] 藤藤雄三,原満: 日本腎臓病学会誌. (1988)
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[Publications] 原満,本田一穂,松谷章司,遠藤雄三,他: 日本病理学会誌. 76. 276 (1987)
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[Publications] 遠藤 雄三: 臨床医. (1988)
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[Publications] Arase Y, Endo Y, Hara M et al: Acta Pathologica Japonica. 38(5). (1988)
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[Publications] Unakami M, Komiya I Endo Y, Hara M et al: Tohoku Journal Experimental Medicine. 152. 81-86 (1987)