1988 Fiscal Year Annual Research Report
定量電顕組織化学法による糸球体荒廃過程の三次元的解析
Project/Area Number |
62570156
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
木原 達 新潟大学, 医学部, 教授 (80018324)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河崎 克俊 新潟大学, 医学部, 助手 (20152944)
矢尾板 永信 新潟大学, 医学部, 助手 (00157950)
山本 格 新潟大学, 医学部, 助教授 (30092737)
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Keywords | 糸球体硬化 / 癒着 / 細胞外物質 / 培養メサンギウム細胞 |
Research Abstract |
1.糸球体荒廃過程の定量的免疫電顕(実験腎症と材料)アミノヌクレオシド(AN)腎症、偏腎摘出老化ラットの腎組織をPEI潅流、IV、III、I型コラゲン、ラミニン、フィブロネクチン、プロテオグリカン(PG)、の局材を追求した。(成績)糸球体硬化部は〓コラゲン、ラミニンの増量が主体である。糸球体基底膜(GBM)の増加、肥厚はラミニンの著るしい増加で、IVコラゲンはみられない。ANでみられる硬化の主体はボーマンのう上皮(印)がGBMから上皮細胞が剥脱した所を、代りに覆う現象である。Epは相互間、GBM上に細胞外物質を作るが、IVコラゲン、ラミニン、フィブロネクチンである。正常の上皮細胞が作っていない新しいIVコラゲンを癒着の部分に作ることが、新しく発見できた。 2培養メサンギウム(M)細胞の細胞外物質に対す反応性(方法)M細胞をEHS腫瘍から抽出したE-ゲル中に培養し、形態、増殖、PG合成をみた。対照はIコラゲンゲル(C-ゲル)、同じ條件での線維芽細胞(F)である。(成績)a.形態:E、Cゲルの中の下細胞、Cゲル中のM細胞は細長で紡錘形であるが、Eゲル中のM細胞は放射状である。b増殖:3H-チミジンによるオートラジオグラフィーで、ガラス上、Cゲル中のM細胞は下細胞と同程度の増殖であったが、Eゲル中のM細胞は下細胞に比べ、有意に低い増殖率を示した。CPG合成:35S硫酸の取りこみによるPG量はM、下細胞ともE、Cゲル間に差はなかった。細胞分画のヘパランサァルフェイトの割合をみると、M細胞はガラス上で約50%、ECゲル中で約10%であり、他はコンドメイチン硫酸であった。PGおよびグリコサミノグリカンの分子量をみるとM細胞ではEゲル中がCゲルのものより小さく、F細胞はその逆であった。以上の如く、ラミニンを主とするEゲルは、M細胞にF細胞と異なる影響を与え、形態、増殖、PG代謝に変化をもたらすことを示した。
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[Publications] 矢尾板永信、河崎克俊、山本格、木原達: 日本病理学会雑誌. 77. 65 (1988)
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[Publications] 木原達、矢尾板永信、河崎克俊、山本格: 日本病理学会雑誌. 77. 267 (1988)
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[Publications] Kihara,I;Yaoita,E;Kawasaki,K;Yamamoto,T.: Kidney Interuational. 35. 352 (1989)
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[Publications] Yamamoto,T;Yaoita,E;Kawasaki,K;Kihara,I.: Kidney International. 35. 367 (1989)