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1987 Fiscal Year Annual Research Report

トキソプラズマ抗原遺伝子の構造と発現

Research Project

Project/Area Number 62570173
Research InstitutionShinshu University

Principal Investigator

菅根 一男  信州大学, 医学部, 教授 (50112488)

Keywordsトキソプラズマ / 抗原遺伝子 / 翻訳産物
Research Abstract

トキソプラズマ抗原遺伝子のクローニングを研究目的として, まず, 虫体からのRNAの抽出条件を検討した. 全長に近いmRNAを得るために, リボゾームRNAの泳動パターンとin vitroの翻訳活性を指標として用いた. 各種のRNA抽出方法を試みた結果, 従来の真核細胞に有効であったバナジルリボヌクレオシド複合体を用いたフェノール抽出法やグアニジンチオシアネートと超遠心を用いたChirgwinら(1979)の方法では不十分であり, Feramiscoら(1982)によるグアニジンチオシアネートと熱フェノールを用いた方法によってリボゾームRNAの鮮明な泳動パターンをみとめ, in vitro翻訳系においても内在性の取り込みに比較して4.3倍の^<35>S-メチオニンの取り込み活性を認めた.
次にmRNAのin vitro翻訳産物中にトキソプラズマ感染血清と反応する抗原蛋白が存在するか否かを調べた. すなわち, ^<35>S-メチオニンでラベルされた翻訳産物をヒトおよびマウス感染血清と反応させ免疫沈澱後, SDS-PAGEによるオートラジオグラフィーで解析した. その結果, マウス感染血清中のIgG抗体は47, 39, 34, 33, 31Kdalton(KD), ヒト感染血清中のIgG抗体は34, 33, 31, 27KDの蛋白とそれぞれ反応した. しかし, 正常ヒトおよびマウス血清, または他種の寄生虫感染血清(施毛虫, マンソン性血吸虫, 小型条虫, 赤痢アメーバ, 熱帯熱マラリア)中のIgG分画と反応する蛋白は認められなかった. 以上の結果より, トキソプラズマmRNAの翻訳産物中には複数の特異抗原が存在し, 特にヒト感染血清と特異的に反応する27kD蛋白が診断用抗原として重要と考えられる. さらに, 抗原遺伝子のクローニングのためにλgt11をベクターとしたcDNAライブラリーの作製を試みた. 200μgのtotal RNAを材料として2×10^〓のライブラリーを得たが, 感染血清を用いたイムノスクリーニングにおいて陽性のクローンは現在までのところ認められていない.

URL: 

Published: 1989-03-20   Modified: 2016-04-21  

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