1988 Fiscal Year Annual Research Report
V.cholerae nonー01の腸管内定着因子に関する研究
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62570190
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Research Institution | Research Institute for Microbial Diseases, Osaka University |
Principal Investigator |
本田 武司 大阪大学, 微生物病研究所・細菌血清学, 助教授 (60029808)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
有田 美知子 大阪大学, 微生物病研究所・細菌血清学, 助手 (10127178)
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Keywords | 線毛 / プロテアーゼ / V.cholerae / 腸炎ビブリオ / 毒素原性大腸菌 |
Research Abstract |
V.cholerae nonー01の腸管内定着性に関与する因子として、プロテアーゼと線毛を取りあげ検討した。 1)線毛について:V.cholerae nonー01が線毛を特定の培養条件下で産生すること、産生された線毛の抗原性は毒素原性大腸菌などで知られている線毛性定着因子とは異なっていた。本菌に類似した腸炎ビブリオについても同様に検討したところ、形態学的に類似した線毛を産生することが明らかになった。ナグビブリオと腸炎ビブリオの線毛の抗原性は互いに異なっていた。線毛に対するモノクローナル抗体も作成できた。 2)プロテアーゼについて:V.cholerae nonー01が01コレラ菌の定着因子の一つと考えられているプロテアーゼ(赤血球凝集素)を産生することを見い出したので、これらの異同をより正確に知るためにプロテアーゼの精製を試みた。その結果、分子量31000のモノマーの5量体からなるプロテアーゼをV.cholerae non-01から単離精製できた。01コレラ菌のプロテアーゼと比較検討した結果、両菌の産生するプロテアーゼは同一であることが明らかになった。一方、類縁菌である腸炎ビブリオもプロテアーゼを産生することがわかったので、この単離精製も行い、コレラ菌の産生するプロテアーゼと比較したが、互いに全く異なるものであった。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] T.Honda,;K.Kasemsuksakul;T.Oguchi,;M.Kohda,;T.Miwatani: Journal of Infectious Diseases. 157. 217-218 (1988)
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[Publications] T.Honda,;Y.Ni,;T.Miwatani: Infection and Immunity. 56. 961-965 (1988)
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[Publications] T.Honda,;M.Arita,;E.Ayala,;T.Miwatani: Canadian Journal of Microbiology. 34. 1279-1281 (1989)
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[Publications] T.Honda,;N.Cakir,;M.Arita,;T.Miwatani: Microbiology and Immunology. 33. (1989)
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[Publications] T.Honda,;K.Lertocasombal,;A.Hata,;T.Miwatani,;R.A.Finkelstein: Infection and Immunity.
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[Publications] 本田武司: 日本細菌学雑誌. 43. 75 (1988)
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[Publications] 本田武司,矢野トモマサ: "(定着因子の病原因子としての意義)臨床検査" 医学書院, 1563-1566 (1988)
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[Publications] 本田武司,畑篤子,甲田光雄: "小児科診療(細菌の上皮付着と侵入の機序)" 診断と治療社, 389-395 (1988)