1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62570195
|
Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
柳原 保武 静岡県立大学, 薬学部, 教授 (30046255)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
増澤 俊幸 静岡県立大学, 薬学部, 助手 (10181645)
清水 忠順 静岡県立大学, 薬学部, 助手 (40046298)
|
Keywords | レプトスピラ / 単クローン抗体 / 感染防御抗原 / 糖脂質抗原 / 活性酸素 / マクロファージ / 感染防御 / 感作凝集試験 |
Research Abstract |
レプトスピラ(レプト)lai017株より分画された感染防御凝集抗原、(Protective agglutinogen,PAG)に対する単クローン抗体を細胞融合法により作製した。本単クローン抗体は血清型、または血清群に特異的な凝集活性を示し、PAGが血清群を規定する抗原である可能性が示唆された。この単クローン抗体はレプト全菌体免疫マウスより作製された単クローン抗体と同等の受身防御活性、並びにマクロファージからの活性酸素産生を誘導し、PAGが感染防御抗原として重要であることが明らかになった。また、各単クローン抗体の受身防御活性とマクロファージからの活性酸素産生誘導能との間に相関関係が認められることから、マクロファージの殺レプトスピラ因子の一つとして活性酸素の関与が示唆された。 新しいレプト症診断法確立のために、PAG並びに全菌体(WC)を抗原として、ELISA法、イムノブロッティング法、感作赤血球凝集法等について、ヒト血清、ウシ血清、犬血清、レプト免疫ウサギ血清を試料として検討した。この内、感作赤血球凝集試験法はPAGを抗原とした時WCに比較して2〜8倍の抗体検出感度の上昇を認め、簡便で有効な診断法と成ることを明らかにした。今後赤血球に代る人工担体、ラテックスを用いたレプト症臨床診断検査薬開発を進めたい。さらにPAGの他に精製の過程で生ずる分子量約10kd相当の糖脂質抗原がレプト属特異抗原であることが示唆された。この抗原は凝集抗体を全く誘導しないが、イムノブロッティング法により対応する抗体がレプト症患者血清中に検出されることから、従来最も信頼性が高いとされる顕微鏡凝集試験でも検出不可能な抗レプト抗体の検出に利用できる可能性が示唆された。 今後、これら糖脂質性抗原の抗原決定基を解明するとともに、詳細な化学構造の解明を行いたい。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] Toshiyuki Masuzawa: Journal of Clinical Microbiology. 26. 2332-2337 (1988)
-
[Publications] Toshiyuki Masuzawa: Chemical and Pharmaceutical Bulletin. (1989)
-
[Publications] Toshiyuki Masuzawa: Infection and Immunity.