1987 Fiscal Year Annual Research Report
DNA型ウイルスの細胞内への取り込みの機構と感染成立との関係
Project/Area Number |
62570204
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
木村 元喜 九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (00031964)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
志村 英生 九州大学, 生体防御医学研究所, 助手 (80178996)
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Keywords | 感染初期過程 / DNA型動物ウイルス / 培養細胞 / 電子顕微鏡 / 蛍光抗体法 |
Research Abstract |
2年の研究期間の1年目として以下に述べる実験系の整備を行った. 1.ポリマーウイルスLP147株, マウスアデノウイルスFL株を, マウスの細胞株のC3H2K, BALB/3T3, 及び初代細胞としてマウス腎細胞(BMK)に感染させ, ウイルスの増殖効率, 増殖の時間経過, 吸着の条件を決定した. ウイルスの定量に適切な細胞株とウイルス液つくりの条件, ウイルスの安定性等の条件を整えた. ワクシニアウイルスは, その定量法とウイルス液作りをサルの腎細胞(CV-1またはBSC-1)で行い, 条件を設定した. 当研究所で細胞の性格ずけが完了しているラット3Y1繊維芽細胞における感染では, ワクシニアウイルスがよく増殖し, 次いでヘルペスウイルスであった. マウスアデノウイルス, ポリオーマウイルスは増殖しなかった. 2.感染初期過程を電子顕微鏡で観察するため, 単層培養したウイルス感染細胞をそのまま基質ごと切削し超薄切片を作る方法を開発した. 3.ウイルスの感染を早い段階で検出し定量化するため, ウイルスの初期抗原やウイルス粒子抗原に対する抗体をもちいた蛍光抗体法の有用と考え, 新しく作る一方, 既存の抗体の使用を検討しているが, ワクシニアウイルスではウイルス粒子に対する抗体を蛍光抗体法で使用することはこの研究の条件では難しいことが分かった. <反省>SV40以外のウイルスでは, 上記のように感染の早い段階での感染成立のマーカーの検出が難しい事が判った. 蛍光抗体法により初期蛋白の検出を試みているが, 抗原陽性率の判定の難しさ, あるいはその同調性の悪さが原因であると思われる. より良い抗体の取得が必要と考えられる. 次年度はこれらの系と方法を用いて感染初期過程の分析を行う.
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Research Products
(6 results)
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[Publications] HirokazuZaitsu: Exp. Cell Res.170. 310-321 (1987)
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[Publications] Hideo Shimura: Virology. 158. 34-43 (1987)
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[Publications] Akinobu Matsuzaki: Virology. 160. 227-235 (1987)
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[Publications] Kousaku Ohno: Fkuoka Acta Medica. 78. 569-577 (1987)
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[Publications] Hirokazu Zaitsu: Exp. Cell Res.174. 146-155 (1988)
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[Publications] Hideo Shimura: Cancer Res.48. 578-583 (1988)