1987 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトサイトメガロウイルスDNA複製に関与する遺伝子群の同定と解析
Project/Area Number |
62570206
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
井原 征治 東海大学, 医学部, 講師 (50096202)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 泰 東海大学, 医学部, 教授 (60055746)
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Keywords | ヒトサイトメガロウイルス / 温度感受性変異株 / DNAポリメラーゼ / マーカーレスキュー法 / DNA塩基配列 |
Research Abstract |
ヒトサイトメガロウイルス温度感受性変異株のうち, ウイルス特異的DNAポリメラーゼに変異を示すts256の解析を行なった. 変異点をマーカーレスキュー法で調べた結果, 変異点はマップユニット0.333〜0.354の約5.1KbのDNA断片内に存在することを見出した. 次いでこのDNA断片の塩基配列を調べた結果, この断片内には2つのopen reading frameの存在することが想定されたが, Northern Blot Analysisでは両frameでは異なるmRNAが検出されこの想定はうらずけられた. 第一のframeはデータベースを検索・解析した結果DNAポリメラーゼ遺伝子であることが判明したが, 変異点はこの遺伝子には無く, もう片方のframe内に存在していた. この事実はDNAポリメラーゼ活性の発現にはDNAポリメラーゼだけでなく, 別の遺伝子の存在とその産物が必要であることを物語っている. 今後はこの遺伝子産物についての解析を進める. まず, DNA塩基配列からアミノ産配列を想定し, 特定の部位のポリペプチドを合成し, これをもとにウサギで抗体を作る. 次いでこの抗体を使い目的とする遺伝子産物を同定する. この様な解析を進めていく過程でDNAポリメラーゼ複合体を形成する因子と機能を明らかにしていく. DNA合成に関する異なる相補群に属する変異株, ts380, ts589, ts614の3株についてもts256で用いた解析方法で解析しているが, これらの株の変異点はts256の変異点に近い部位にあることも判明し いる. これらの事実を総合すると, DNA合成関連遺伝子は集合体を形成していることが考えられるので, これらの点を明らかにしていきたい.
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