1988 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトサイトメガロウイルスDNA複製に関与する遺伝子群の同定と解析
Project/Area Number |
62570206
|
Research Institution | Tokai University School of Medicine |
Principal Investigator |
井原 征治 東海大学, 医学部, 助教授 (50096202)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 泰 東海大学, 医学部, 教授 (60055746)
|
Keywords | ヒトサイトメガロウイルス / マーカーレスキュー / DNA複製 / 温度感受性変異株 |
Research Abstract |
ヒトサイトメガロウイルスのDNA合成に関する温度感受性変異株の変異点をマーカーレスキュー法で同定し、DNA合成関連遺伝子の同定と機能の解析を行なってきた。分析した株は2つの相補群に属する4株である。得られた結果は次の2項目である。 1.相補群Iに属するAS256に関しては前年度までに変異点を5.1KbのDNA鎖内にしぼりこんでいたが、本年度は野性株とts256のこのDNA断片の両鎖の塩基配列を決定し、その作業をほゞ終了した。この比較の結果、ts256のDNA断片内には1塩基の変異が認められ、これ以外には変異は存在しなかった。またこの5.1KbのDNA断片の全塩基配列の解析から、この断片内には少なくとも2つのOpen Reading Frame(ORF_1、ORF_2)が存在しORF_1は既に発表されているDNA Polymerase遺伝子の塩基配列と相同であった。ORF_2はhomology searchでも相同なものはなく新しい遺伝子と考えられるが、先に述べた塩基の変異はこのORF_2に存在した。つまりウイルスDNA Polymeraseの活性発現にはORF_2の遺伝子産物が必要であることを示し、DNA合成に関連した新しい遺伝子が存在することがわかった。今後は合成ポリペプチドで抗体を作製し、ORF_2の遺伝子産物の同定と機能をしらべていく。 2.相補群IIの3株についてのマーカーレスキューは前年度までに変異はcosmid clonepl T248内に存在することを示したが、本年度はさらにこれをしぼり、変異はHindIII-A断片内にあることがわかった。現在は、さらに狭い領域にしぼりこむ作業を続けている。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] 井原征治,森靖子,佐久間貞俊,竹腰正隆,渡辺泰,: (1989)
-
[Publications] 竹腰前田史子,竹腰正隆,井原征治,渡辺泰,: Microbiol.Immunol.32(2). 161-171 (1988)
-
[Publications] 竹腰正隆,井原征治,竹腰前田史子,渡辺泰,: J.of Gen.Biol.68. 765-776 (1987)