1988 Fiscal Year Annual Research Report
シチメンチョウヘルペスウイルス特異的チシジンキナーゼ遺伝子の同定
Project/Area Number |
62570207
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
平井 莞二 東海大学, 医学部, 講師 (00100991)
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Keywords | シチメンチョウヘルペスウイルス / チシジンキナーゼ / 遺伝子の同定 / マレック病 / ワクチン |
Research Abstract |
トリのマレック病(MD)に対するワクチンはシチメンチョウヘルペスウイルス(HVT)が用いられている。この生ワクチンは終生トリに存在するから組換えワクチンとして良いベクターとなりうる。そこで、本研究の目的は外来遺伝子をHV下ゲノム内に挿入する部位としてチシジンキナーゼ(TK)遺伝子を同定することである。昭和62年度はまず最初にHVTのDNA制限酵素断片地図を作製することとHVTゲノム上にTK遺伝子を同定することから始めた。HVTDNAの断片地図は昭和大学フロリダ研究所の野々山博士と共同で作製し、MDを起こすマレック病ウイルス1型(MDV1)とHVTの両DNA間にホモロジーが見られる部位は両ゲノムのほゞ同じ位置にあることを示した。次にこのHVT特異的TK遺伝子をHVTゲノム上に位置づけるため、単純ヘルペスウイルス1型(HSV1)のTK遺伝子を含むDNA断片をプローブとして用いてHVTDNAとハイブリダイズした。その結果、HSV1のTK遺伝子とホモロジーを持つ部分はHVTDNAのユニーク配列のほゞ中央に位置づけられた。この位置はHVTと同じDNA構造を示すHSV1のTK遺伝子の位置とほゞ同じであった。 このことを昭和63年度は更に他のHVT株やMDV1株でも確認した。次にTKマイナスの細胞にHVTを感染させ、TD活性が誘導されることを見出した。このHVT誘導TK活性は0.2mMTTPで阻害され、またHVTDNAの合成はヘルペスウイルス特異的TKにより特異的に燐酸化されDNA合成を阻害するアシクロビルにより押えられた。このことはHVT特異的TKがこのTKマイナス細胞に誘導されたことを示唆するものである。今後の計画として、HVTのTK遺伝子領域の塩基配列の決定により外来遺伝子挿入部位を解析することと、コードされる蛋白の確認を行うことが必要である。
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[Publications] M.Niikura,: Proccedings for 3rd International Symposium on Marek's Disease.
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[Publications] K.Hirai,: Proccedings for 3rd International Symposium on Marek's Disease.