1988 Fiscal Year Annual Research Report
免疫グロブリンH鎖の可変部遺伝子形成に際するV_H遺伝子の選択に関与する制御系の解析
Project/Area Number |
62570212
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Research Institution | Osaka University Medical School |
Principal Investigator |
杉山.治夫 ハルオ 大阪大学, 医学部, 助手 (70162906)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三宅 正剛 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (60294097)
小守 寿文 大阪大学, 医学部附属病院, 医員
岡 芳弘 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (20273691)
小川 啓恭 大阪大学, 医学部, 助手
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Keywords | 免疫グロブリン遺伝子の再構成 / 免疫グロブリン可変部領域遺伝子 |
Research Abstract |
Abelsonウイルスでトランスフォームしたマウス未熟B細胞株・AT11ー2は各染色上で、DJ_H結合をもっているか、まだV_H遺伝子を結合していないが、培養中に、V_H遺伝子とDJ_H結合との間での再構成が生じ、結胞質内にμ鎖を発見しうる、B細胞系幹細胞株である。このAT11ー2細胞は、細胞質内にμ鎖を発現し、μ^+pre-B細胞に分化後、さらにμ^+→γ3^+→γ2b^+と、介在C_H遺伝子の欠失機構により、クラス・スイッチしたAT11ー2細胞株において、V_H遺伝子と、DJ_H結合が、結合して、V_HDJ_Hからなる完全な免疫グロブリンH鎖の可変部が完成するが、この際、DJ_Hと結合するV_H遺伝子はどのような種類のV_H遺伝子であるのか、ある一定のV_H遺伝子が優先的に結合するのか否かについて、V_H family特異的なDNAプローベを用いて、Northem法で解析したところ、V_HQ52 familyに属するV_H遺伝子が優先的に使用されることがわかった。さらに、このV_HQ52 familyに属するV_H遺伝子の使用頻度の算出や、内的、外的刺激が、このV_H遺伝子の使用頻度に影響しうるか否かを個々の細胞レベルで解析するためには、V_HQ52 familyに属するV_H遺伝子の発現より生じたμ鎖をもった細胞を1つ1つ同定する必要がある。このため、V_HQ52 familyに属する可変部に特異的に反応するモノクローナル抗体が有用であるので、現在、作製中であり、3種のモノクローナル抗体が、V_HQ52 familyの可変部に特異性をもつことが判明しつつある。
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[Publications] H.Sugiyama: J.Exp.Med.166. 607-612 (1987)
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[Publications] T.Maeda: J.Immunol.138. 2305-2310 (1987)
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[Publications] T.Maeda: Cell Differentiation. 20. 263-269 (1987)
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[Publications] Y.Tani: Mol.Immunol.25. 127-136 (1988)