1988 Fiscal Year Annual Research Report
自己抗体産生誘導能を有するB細胞刺激因子及びのその受容体の分子性状の解析
Project/Area Number |
62570215
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Research Institution | Div. of Oncogenesis, Biomedical Research Center, Osaka Univ. Med. Sch. |
Principal Investigator |
小野 史郎 大阪大, 医・バイオメディカル教育研究センター・腫瘍発生 (80127208)
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Keywords | B細胞分化因子 / Nーアセチルグルコサミン / B細胞亜集団 / B細胞分化因子受容体 / 抗B細胞分化因子抗体 / 自己抗体産生 / B細胞自己Ia認識 |
Research Abstract |
1.B細胞分化因子B151ーTRF2はN-acetylglucosamine(GlcNAc)に高い親和性を示す事。及びB151ーTRF2のB細胞への結合はB細胞を予めN-acethylglucosaminidase或いはtrypsinで処理する事により阻害される事より、糖蛋白から成るB151ーTRF2受容体の末端GlcNAc鎖がB151ーTRF2の結合部位として機能している事が示唆されている。今回末端GlcNAcに特異性を示す単クローン性抗体J1はB151ーTRF2により誘導される自己抗体産生を伴う多クローン性B細胞分化を特異的に阻害する事、又J1抗体と補体で処理したB細胞のB151ーTRF2応答性は消失する事より、J1陽性B細胞亜集団によりB151ーTRF2応答性が担われていることが明らかにされた。一方、正常マウス脾細胞膜可溶化画分より分画された末端GlcNAcを有する糖蛋白はB151ーTRF2応答性を特異的に阻害する活性を有する事が示された。そこでSDS可溶化膜画分を^<125>I標識J1抗体を用いたWestern blotting法で解析した所、約40K及び30Kのメインバンドと約60K及び25Kのマイナーバンドが検出された。今回同定された4種類の糖蛋白のいづれかがB151ーTRF2受容体分子である可能性が強く示唆される。2.部分精製B151ーTRF2標品をラットに免疫して確立されたB細胞融合株の中からB151ーTRF2活性の発現を特異的に抑制する抗体を産生する5ー6ー9株を選別した。今回、5ー6ー9をヌードマウスに移植し得られた腹水からABXカラムを用いたHPLCで精製した5ー6ー9抗体(IgM)で直接coatした24穴プレートを用いた吸収実験により、B151ーTRF2活性が特異的に吸収される事が示された。3.Ia拘束性BーB細胞間相互作用の観点から、B151ーTRF2により誘導される自己抗体産生応答の免疫遺伝学的解析を行った。その結果、自己抗原の一つであるBromelain処理マウス自己赤血球(BrMRBC)に対する自己抗体産生は、MHC内のI領域遺伝子により調節されている事、更に興味ある事にBrMRBC特異的B細胞の生成がB細胞に発現される自己Ia認識特異性と密接な関連を持っているという全く新しい知見が得られた。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] 濱岡利之: アレルギー. 37. 125-133 (1988)
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[Publications] Shinya Murakami: Immunology. 65. 221-228 (1988)
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[Publications] Kenji Nakanishi: J.Immunol. 140. 1175-1181 (1988)
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[Publications] Masahiko Mihara: J.Immunol.140. 85-90 (1988)
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[Publications] Yousuke Takahama: International Immunology. 1. (1989)
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[Publications] Yousuke Takahama: J.Immunol.
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[Publications] Toshiyuki Hamaoka: "I-A-restricted B-B cell interaction and its relation to autoimmunity.In"B cell Development"VCLA Symposia on Molecular and cellular Biology" Alan R,Liss,Inc., 215-227 (1988)
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[Publications] Yousuke Takahama: "Involvement of I-A-restricted B-B cell interaction in the polyclonal B cell differentiation induced by lipopolysaccharide In"Bacterial Endotoxin 1988"" Plenum Press, (1989)