1987 Fiscal Year Annual Research Report
突然変異誘起金属による培養細胞でのアイソザイムパターン
Project/Area Number |
62570231
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Research Institution | Kochi Medical School |
Principal Investigator |
田口 徹也 高知医科大学, 医学部, 助教授 (40095021)
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Keywords | 突然変異誘起金属 / 培養細胞 / アイソザイムパターン |
Research Abstract |
マウスleukemic cell(L5178Y)を用いてまず, アイソザイム検出条件について検討した. 実施した20種のアイソザイム中, 以下の12種のアイソザイムパターンが確認された. LDH(loctato dehydrogenase), MDH(malate dehydrogenase), IDH(isocitrate dehydrogenase), SDH(sorlritol dehydrogenase), GDH(glutamate dehydrogenase), 6-PGD(6-phosphogluconate dehydrogenase), G6PDH(glucose 6-phosphate dehydrogenase), AK(adenylate kinase), HK(hexo kinase), PGM(phosphoglucomutase), ME(malir enzyme), TO(tetrozolium oxidase). そこで, この検出可能な12種のアイソザイムパターンを突然変異誘起金属(クロム, ニッケル, カドミウム)処理前後の細胞で比較検討した. 三金属の夫々3濃度(低, 中, 高濃度, 金属により濃度は異なる)で一定時間(6時間)細胞を処理した後, 生き残った細胞を培養し増殖させた. ホモジネートし細胞を破砕後電気泳動用サンプルとする. 金属処理前後の細胞で, 上記12種のアイソザイムパターンを分析し, 突然変異を起こし生き残ったと推定される処理細胞群でアイソザイムパターンの変化が生じているかどうかを検討した. その結果, 三金属共, 処理前(対照群)の細胞でのアイソザイムパターンと比較して, そのパターンに変化の認められたアイソザイムはLDHのみであり, 他の11種のアイソザイムについては, そのパターンに変化が認められなかった. LDHについては, 三金属どの濃度群でも, 処理した群で変化が認められアイソザイムパターンの変化が, 突然変異のひいては発がん性テストとして有用だということが示唆された. 現在同じ細胞を用いて同様処理した細胞で, 染色体異常の有無を確認している. この結果と対比させることによりどちらの結果がより鋭敏な指標として有用かを確認できる.
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