1987 Fiscal Year Annual Research Report
防毒マスク用吸収缶の一定時間使用後におけるガス吸収能力の評価方法に関する研究
Project/Area Number |
62570238
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Research Institution | The Institute for Science of Labour |
Principal Investigator |
木村 菊二 財団法人労働科学研究所, 労働衛生学研究部, 研究部長 (90072644)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 昭好 財団法人労働科学研究所, 労働衛生学研究部, 研究員 (30151492)
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Keywords | 吸収缶の破過の評価 / 吸収缶の吸着能 |
Research Abstract |
防毒マスク用吸収缶の有毒ガスの吸収能力は, ある一定量の有毒ガスを吸収すると, 全くなくなってしまう. 本年度は, 防毒マスクのうち最も多く使用されている有機溶剤用のマスクについて, その吸収能力に関して検討を行った. 防毒マスクの規格では, その吸収能力を四塩化炭素によって求めるよう規定している. 一般には有機ガスのうち炭素の数の少ないものほど吸収缶の破過(ガスの吸収能力がなくなること)が早いとされている. この特性を利用して一定時間使用後の吸収能力を定量的に推定する方法を考察し検討を加えた. 本研究における吸収缶の吸収能の測定は, 本研究費によって設備した可燃性ガス連続測定装置・標準ガス発生装置およびガス吸収試験箱などを用いて行った. 可燃性ガス連続測定装置では有機溶剤のうち, 炭素数の少ないメタノール, エタノールなどを始め, トルエン, キシレンなど一般に使用されている有機溶剤のうち十数種類の物質について測定することが可能である. 実験は, 標準ガス発生装置を調整して実験に使用する適当な濃度のガスを発生させることができるようにした. 続いて可燃性ガス連続測定装置・ガス吸収缶試験箱・吸引装置などを接続して吸収缶の吸収能に関する検討を行った. 実験はエチルアルコールを用いて行った. 吸引するガスの濃度と破過までの時間との関係から吸収缶へのガスの吸収量を求め, 吸収缶の質量変化と関係について検討を行った. また, 繰返し吸引した場合の効果について検討を加え, 活性炭に吸着されたガスが再び蒸発する可能性のあることがわかった. この現象はガスの種類によって異なり, 吸収缶の能力試験用として適当なガスを選択することが, 次年度に残された第一の課題である.
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