1987 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62570245
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Research Institution | 山梨医科大学 |
Principal Investigator |
飯島 純夫 山梨医科大学, 医学部, 助教授 (70114361)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹下 達也 山梨医科大学, 医学部, 助手 (20150310)
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Keywords | 磁場 / 姉妹染色分体交換 / ダウン症由来細胞 / 細胞分裂動態 |
Research Abstract |
今年度は補助金によって購入した実験用電磁石(東北金属工業, SEE-9型)を用いて, 磁場強度を何段階かにかえた場合の染色体の姉妹染色分体交換(Sister chrimatid exchange;以下SCEyと略記)の誘発についての基礎的な検討をヒトリンパ球全血培養法によって行った. 健常成人3名より採血した全血を実験用電磁石によってできた4_KG, 8_KGの磁場に7時間曝露させ, 曝露終了後ただちに72時間培養を行った. 培養終了後染色体標本を作製し, SCE頻度(平均値±標準誤差)の場合は各群30個, 細胞分裂動態の検討には各群100個の分裂中期細胞について観察した. SCE頻度は, 磁場非曝露の場合9.23±0.08, 4_KGの場合9.88±38.8_KGの場合8.93±0.64で分散分析で検定した結果有意差は認められなかった. 細胞分裂動態は非曝露の場合, 分裂一回目の細胞(X1)の割合が15%, 二回目(X2)が31%, 三回目以上(X3+)が55%であり, 曝露群では4_KGの場合X1が15%, X2が30%, X3+が54%, 8_KGではX1が17%, X2が27%, X3+が56%と有意差は認められなかった. ダウン症由来培養細胞でも同様の検討を行った. SCE頻度は, 非曝露の場合8.48±0.80, 4_KGの場合7.61±0.70, 8_GGの場合8.87±0.53でやはり有意差は認められなかった. 細胞分裂動態でもあきらかな差は認められなかった. 申請時は単年度で申請したが2年間の研究として認められたため, 今年度は電磁石を用いた基礎的検討を行い, 次年度に今年度の結果を基礎にしてX線との複合作用につき正常細胞とダウン症由来細胞とを用いて行う予定である.
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