1987 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62570259
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
高橋 建吉 秋田大学, 医学部, 教授 (30004542)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
権守 邦夫 秋田大学, 医学部, 助手 (10006744)
海野 勝男 秋田大学, 医学部, 教授 (40111322)
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Keywords | 医薬品 / 薬毒物検査 / 薄層クロマトグラフィ / カラムクロマトグラフィ / ガスクロマトグラフィ / 高速液体クロマトグラフィ / 精神神経用薬 |
Research Abstract |
交通事故と医薬品との関連性が問題視されており, その際の薬物検査は, 法医解剖に伴う薬毒物検査と同様に重要である. 近年, 医療機関で施用される医薬品は非常に多種類にわたっており, それらの医薬品が事故原因・死因に関与する可能性をも考慮する必要がある. 事故時や死体発見時の状況, 病歴等から薬毒物を推定できる場合もあるが, 何ら情報が得られない事例では検査, 同定に多大の時間と労力を費やさなければならない. また, 検査・同定に必要な標準品を全ての医薬品について, 全ての検査機関が常備することは不可能である. 本研究者らは, 薄層クロマトグラフィ, カラムクロマトグラフィ, ガスクロマトグラフィ, 高速液体クロマトグラフィ等の検査法の高い再現性を確保すれば, たとえ標準品の入手が困難でも, 基準となる薬物との対比により固定可能となるものと考え検討している. 初年度は精神神経用薬29種(フェノチアジン系8種, ベンゾジアゼピン系9種, 三環系2種, ブチロフェノン系4種, その他6種)について薄層クロマトグラフィ, カラムクロマトグラフィ, ガスクロマトグラフィでの検査法を検討した. 薄層クロマトグラフィでは塩基性薄層板と中性薄層板の組み合わせにより, カフェインあるいはフェナセチンを基準液として, 検討を進めている. カラクロマトグラフィではエキストレルートカラムを使用して検討している. ガスクロマトグラフィでは, カラムにSiliconeOV-101あるいはSiliconeGEXE-60等を使用して検討している. 高速液体クロマトグラフィについては, 現在移動相とカラムの最適な組み合わせを検討中である. 最近, 本研究計画時考慮していなかった漢方薬が関与する事例が発生した. 漢方薬は一般にその作用が穏やかと考えられているが, 中には西洋薬より強力な作用を持つものがあり, 今後漢方薬を含めた医薬品へ検査の対象を広げる必要があると考えられた.
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