1988 Fiscal Year Annual Research Report
血液型抗原の生合成に関与するH、Se、Le及びX遺伝子に関する遺伝生化学的研究
Project/Area Number |
62570261
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Research Institution | GUNMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
矢澤 伸 群馬大学, 医学部, 講師 (10008386)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 たみ子 群馬大学, 医学部, 助手 (40008561)
古川 研 群馬大学, 医学部, 教授 (90008227)
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Keywords | 血液型抗原 / 生合成 / 遺伝子 / 遺伝生化学 / フコシルトランスフェラーゼ / 化学合成オリゴ糖 / 霊長類の血液型 |
Research Abstract |
血液型物質の内で、フコシル糖鎖をその抗原決定基に含む血液型物質の生合成と、各々の抗原の血球や各臓器での発現について、合成に関与している各フコシルトランスフェラーゼとその産物であるH及びルイス抗原の分布との関連で明らかにし、各々の糖転移酵素の産生を支配している遺伝子の解明をめざした。 1.血液型活性オリゴ糖を中心に、新しいオリゴ糖が化学的に合成され、αフコシルトランスフェラーゼ(1→2、1→3、1→4)、Nーアセチルグルコサミニルトランスフェラーゼ、シアリルトランスフェラーゼなどの糖転移酵素の特異的基質が得られた。又、各々の酵素活性を特異的に測定する系を開発した。 2.抗Le^a、抗Le^bモノクロナール抗体を利用したRIA法により、血清、唾液中のルイス抗原の簡便な定量法を開発した。各種血球のルイス式型変換を、各々の血漿中のルイス抗原の分布との関連で明らかにした。又、癌化に伴うルイス式血液型の血球、唾液での不一致を認め、α(1→4)フコシルトランスフェラーゼの癌性変化が考えられた。 3.血清α(1→3)フコシルトランスフェラーゼの活性を多数試料について測定した結果、癌化による酵素活性の上昇、悪性腫瘍の存在に依存する酵素活性の変動など、X遺伝子の関与が考えられているα(1→3)フコシルトランスフェラーゼが全く新しい腫瘍マーカーに成りうることを初めて明らかにした。 4.霊長類の赤血球、臓器におけるヒト血液型物質の分布及びその合成に関与する糖転移酵素の活性を測定したが、進化に伴うABO式血液型抗原の発達と各々の合成酵素の分布が確認された。特にSe、H遺伝子の関与が考えられている二種類のα(1→2)フコシルトランスフェラーゼについて、各臓器及び進化に基づく分布が明らかにされた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] K.R.,DIAKUN: Immunological Investigation. 16(1). 1ー11 (1987)
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[Publications] K.R.,DIAKUN: Immunological Investigation. 16(2). 151ー163 (1987)
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[Publications] S.,YAZAWA: Jpn.J.Cancer Res.(GANN). 79. 530ー543 (1988)
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[Publications] T.,NAKAJIMA: Biochim.Biophys.Acta. 964. 207ー212 (1988)
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[Publications] R.,MADIYALAKAN: Indian J.Biochem.Biophys.25(1ー2). 32ー35 (1988)
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[Publications] S.,YAZAWA: Cancer. 62(3). 516ー520 (1988)