1988 Fiscal Year Annual Research Report
体組織中可燃性物質の法医学的検出とその応用に関する研究
Project/Area Number |
62570267
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
木村 恒二郎 九州大学, 医学部, 助手 (30153191)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永田 武明 九州大学, 医学部, 教授 (00078586)
今村 徹 九州大学, 医学部, 助手 (00193681)
工藤 恵子 九州大学, 医学部, 助手 (10186405)
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Keywords | ガソリン蒸気 / 暴露装置 / 鎖状炭化水素 / 血中濃度 |
Research Abstract |
1.一定濃度のガス蒸気を安定して発生させる暴露装置の作製とその条件の検討について。 現在使用されているガス蒸気暴露装置は、いずれも大型かつ高値なものが大部分であり、小研究室にこれらを設置することは不可能である。そこで、小研究室でも設置できるように、ガラス容器、シリコンチューブ、小ポンプ等の一般器具を用い、安値かつ安定した蒸気が供給可能な装置を作製した。ガス蒸気発生用溶剤としてガソリンを用い、空気ポンプで蒸気化されたガソリンはトラップを介して空気と混合され、動物暴露槽へ送られる。暴露槽から排出された蒸気は、適当な濃度に希釈されガスメーターによって濃度が記録される。この装置によって、200ppmから40000ppmの一定したガス蒸気が約60分間得られ、小研究室でのガス蒸気暴露実験に十分使用可能であるものと考えた。 2.上記ガス発生装置を用いた動物実験について。 10000ppmおよび25000ppmの一定したガソリン蒸気をラットにそれぞれ30分間吸入させた。いずれの群のラットも死亡せず、屠殺後の血液から炭素数5〜8の鎖状炭化水素と、ベンゼン、トルエン、o.m.p-キシレンが検出された。ベンゼン、トルエン、o.m.p-キシレンの定量値は、いずれも10000ppmから25000ppmの間で正の相関性を示し、また、変動係数は35%以内にとどまった。これらの動物実験によって、前年度に検討した分析方法が有効なものであり、かつ作製されたガス蒸気発生装置は、混合有機溶剤のガス蒸気化に適切で十分な精度を有しているものと考えられた。今後は、他の混合有機溶剤についても、実験動物を用いて検討する予定である。
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Research Products
(2 results)