1988 Fiscal Year Annual Research Report
内膜平滑筋細胞の増殖におけるautocrine system
Project/Area Number |
62570276
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
森崎 信尋 千葉大学, 医学部第二内科, 助手 (40174411)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白井 厚治 千葉大学, 医学部第二内科, 助手 (00150269)
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Keywords | 平滑筋細胞 / 動脈硬化症 / オートクライン系 / 血小板由来増殖因子(PDGF) / 平滑筋細胞由来増殖因子 / 内皮細胞 |
Research Abstract |
1.バルンカテーテル法、カニューレ留置法、高コレステロール食飼育によって作成した動脈硬化巣より培養した内膜由来平滑筋細胞は正常動脈4膜平滑筋細胞に比べて、(1)増殖力が速い、(2)中膜由来平滑筋細胞に特徴的なhills and valleysパターンを示さない、(3)プロスタサイクリンの増殖抑制作用に抵抗性である、(4)LDLの細胞毒性に抵抗性である、(5)変性LDLのスカベンジャー受容体を持つ、などの性質が明らかとなった。内膜由来平滑筋細胞は培養の早期より前年度に報告した特異な増殖因子(SDGF)を分泌した。内膜由来平滑筋のもつ(1)の性質は少なくともSDGFを介するautocrine系が関与していると考えられた。2.中膜由来平滑筋細胞は継代4代日以後にSDGFを分泌するが、培養早期の中膜由来平滑筋細胞とヒト臍帯静脈内皮細胞をco-cultureした後に細胞を採取し直しするとSDGFの分泌能を獲得した時、細胞増殖能も亢進していた。即ち中膜由来平滑筋細胞が内膜由来平滑筋細胞の性質を獲得する過程にinvivoでも内皮細胞の関与が推測された。3.SDGFは単独で平滑筋細胞の増殖促進作用を示すが、competence factorであるPDGF、FGF、および、progression factorであるEGF、ソマトメジンCいずれとも相剰作用を示した。また、至適用量のPDGFおよびEGFの存在下でも更に相剰作用を示した。一方、Go期の細胞をS期に導く為にはPDGFとは異なりその期間常に存在する必要があった。以上よりSDGFは従来の増殖因子の組合わせによるDNA合成とは異なる経路を刺激する新しい増殖因子と考えられた。4.SDGFはDEAE Sephadex A-25に吸着され高塩濃度溶液で溶出された。等電点電気泳動によってpI5.9を主とし、pI4.2に小ピークがみられた。Sephadex G-75を用いたゲルロ過では分子量8700の部位に溶出された。現在大量培養によるSDGFの精製が進行中である、
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[Publications] Nobuhiro,Morisaki: FEBS Letter. 230. 186-190 (1988)
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[Publications] 森崎信尋: カレントテラピー. 6. 474-478 (1988)
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[Publications] 森崎信尋: 内科. 62. 818-823 (1988)
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[Publications] Nobuhiro,Morisaki: "Proceedings of 8th Internat.Symp.on Atherosclerosis" CIC EDIZIONI INTERNATIOLALI, (1989)
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[Publications] Yasushi,Saito: "Proceedings of 8th Internat.Symp.on Atherosclerosis" CIC EDIZIONI INTERNATIONALI, (1989)
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[Publications] Yasushi,Saito: "Proceedings of Internat.Symp.on Ginseng Res." Li-Fu Medical Research Institute, 192-202 (1988)
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[Publications] 森崎信尋: "血管培養法とその応用" 東京化学同人, (1989)