1988 Fiscal Year Annual Research Report
抗DNA抗体の病因論的解析(モノクローナル抗体を用いた研究)
Project/Area Number |
62570277
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Research Institution | Chiba University School of Medicine |
Principal Investigator |
小池 隆夫 千葉大学, 医学部, 助手 (80146795)
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Keywords | SLE / モノクローナル抗DNA抗体 / 抗リンパ球抗体 / FACS / 交差反応 |
Research Abstract |
本研究者は、全身性エリテマトーデス(SLE)のモデルマウスから多数の抗DNA抗体産生ハイブリドーマ株を樹立し、これまでにそれらの特異性につき解析してきた。前年度は主として本自己抗体のカルジオリピンに対する交差反応性ならびに補体第一成分(C1q)に対する反応性につき検討してきたが、本年度はモノクローナル抗DNA抗体がリンパ球抗体としての活性を有していることを明らかにし、その特異性を解析し、以下の新知見を得た。 (1)モノクローナル抗DNA抗体のなかでも一本鎖DNA(ssDNA)と二本鎖DNA(dsDNA)の両DNAに対して交差反応性を有する抗体(抗ss/dsDNA抗体)のみが、マウスT細胞株であるEL-4、BW5/47ならびにマウスB細胞株であるに対して反応することをFACSを用いて明らかにした。しかし、これらの抗体はマウス形質細胞株であるP3u1に対し2は反応しなかった。 (2)モノクローナル抗DNA抗体のうちssDNAにのみ反応性を有する抗体(抗ssDNA抗体)には、この様な抗リンパ球抗体活性を認めなかった。 (3)この様な反応性は単に株化したリンパ球に対してのみならず、mitogenで芽球化した末梢リンパ球に対しても認められた。しかし抗ss/dsDNA抗体は静止リンパ球に対しては反応しなかった。 (4)抗ss/dsDNA抗体のリンパ球に対する反応性は、DNAにより用量依存的に消失することから、抗原-抗体反応による結合と考えられた。またリンパ球をあらかじめDNaseで前処理しておいても、この反応は全く変化せず、抗ss/dsDNA抗体のリンパ球上の対応抗原は、リンパ球上のDNAではなく、リンパ球由来の膜抗原構造と考えられた。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Tsutsumi,A.;Koike,T.;Nawata,Y.;Yoshida,S.;Tomioka,H.: Immunol.Allergy Pract.10. 149-154 (1988)
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[Publications] Ichikawa,K.;Shimada,S.;Nawata,Y.;Ishii,T.;Tomioka,H.;Yoshida,S.;Koike,T.: Clin.Exp.Immunol. 74. 110-114 (1988)
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[Publications] Tsutsumi,A.;Koike,T.;Ichikawa,K.;Shimada,K.;Takahayashi,K.;Tomioka,H.;Yoshida,S.: J.Rheumatol.15. 1764-1767 (1988)
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[Publications] Matsumura,R.;Kondo,Y.;Sugiyama,T.;Sueishi,H.;Koike,T.;Takabayashi,K.;Tomioka,H.;Yoshida,S.;Tsuchida,H.: Clin.Nephrol. 30. 335-340 (1988)
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[Publications] Shimada,K.;Koike,T.;Ichikawa,K.;Tsutsumi,A.;Takahayashi,K.;Tomioka,H.;Yoshida,S.: J.Autoimmun. (1989)
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[Publications] Takahayashi,K.;Koike,T.;Kuvasawa,K.;Matsumura,R.;Sato,T.;Tomioka,H.;Ito,I.;Yoshiki,T.;Yoshida,S.: Clin.Immunol.Immunopathol. (1989)
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[Publications] Koike,T.;Tsutsumi,A.;Nawata,Y.;Tomioka,H.: "Prevalence and role of IgG anti^IgE autoantibody in allergic disorders. In Monographis in Allergy Vol.26" Karger, (1989)
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[Publications] 小池隆夫: "T細胞と自己免疫疾患in Annual Review 免疫1989" 中外医学社, 199-210 (1989)