1987 Fiscal Year Annual Research Report
全身性エリテマトーデス患者におけるインターロイキン2レセプター発現異常の研究
Project/Area Number |
62570285
|
Research Field |
内科学一般
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
熊谷 俊一 京都大学, 医学部, 助手 (00153346)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
淀井 淳司 京都大学, 医学部, 助手 (80108993)
|
Keywords | 全身性エリテマトーデス / インターロイキン / IL-2 / IL-2レセプター / T細胞 |
Research Abstract |
今年度, 全身性エリテマトーデス(SLE)患者の活性化T細胞におけるIL-2レセプター(IL-2R)発現異常の研究を行い以下の結果を得た. I.SLE患者PHA刺激末梢リンパ球のIL-2産生能をヒトIL-2性依存T細胞株(Sez627)を用いて調べ, 活動期SLE患者におけるIL-2産生障害を明らかにした. II.PHA刺激リンパ球の外来性IL-2に対する反応性は, SLE患者においてその活動性を問わず, 正常人より有意に低下していた. III.抗IL-2R抗体である抗Tac抗体を用いてPHA刺激リンパ球のIL-2R発現を調べた. SLE患者活性化リンパ球は, Tac抗原発現率も細胞当りの発現数(エピトープ数)も, 正常人と同程度であった. IV.^<125>I-標識IL-2を用い発現したIL-2Rの数や親和性を調べた. SLE患者の活性化T細胞でも高親和性と低親和性の二種のIL-2Rが発現していたが, 生物学的に重要と考えられる高親和性IL-2Rの発現数が正常人に比し有意に減少していた. V.SLE患者の高親和性IL-2R発現異常は, 正常人単球やIL-2やIL-1の添加により部分的に回復したが, 正常人レベルには至らなかった. 以上の結果をまとめると, SLE患者活性化T細胞に発現するIL-2RはTacエピトープ数は正常であるがIL-2に対する高親和性レセプターの発現障害を認め, その異常は本来的にT細胞に存在することを明示した. 近年, 高親和性IL-2RはTac分子とそれ以外の分子(75K蛋白)より構成されることが明らかとなってきた. 我々の結果は, SLE患者のリンパ球におけるこの75K蛋白の発現機構の異常を示唆するものであり, 今後この面よりの検討を行いたい.
|
-
[Publications] Ishida, Hiroshi: Journal of Immunology. 139. 1070-1074 (1987)
-
[Publications] Hashida, Seiichi: Ananalytical retters. 20. 1083-1097 (1987)
-
[Publications] 熊谷俊一: 最新医学. 42. 938-944 (1987)
-
[Publications] Umehara, Hisanori: Arthritis and Rheumation. in press (1988)
-
[Publications] 熊谷俊一: Medical Immunology. (1988)