1988 Fiscal Year Annual Research Report
癌細胞増殖局所(癌性腹水)における宿主・免疫応答の解析と臨床応用
Project/Area Number |
62570307
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
小山 捷平 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (00110502)
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Keywords | 癌性腹水 / 免疫応答 / ヘンターロイキン2(IL2) / T細胞増殖因子(TCGF)モノクローナル抗体 / Two-color flow cytometry / LAK細胞 / cytotoxic T細胞(CTL) |
Research Abstract |
(1)癌性腹水中の免疫担当細胞の分布と機能の解析 癌性腹水中のリンパ球を各種のモノクローナル抗体を用いてFACS解析を行うとCD4^+Leu8^-細胞が末梢血リンパ球に比べて低下しているがCD8^+CD11^-細胞、CD8^+CD11^+細胞、CD4^+Leu8^+細胞、Leu7^+CD16^-細胞などはほぼ末梢血リンパ球のそれと同等の分布を示している。癌性腹水中のリンパ球をrIL2を用いてLAK細胞を誘導するとCD4^+Leu8^-のphenotypeを示した。しかしながら、TCGFで培養するとCD4^+Leu8^-細胞ではなく、CD8^+CD11^-細胞が著増した。このTCGFで誘導されたCD8^+CD11^-細胞はrIL2で誘導されたCD4^+Leu8^-のprenotypeを示すLAK細胞より強い細胞障害活性を示した。また対照とした肝硬変患者の腹水リンパ球をTCGFで培養しても強い細胞障害活性は得られなかった。この様に、TCGFで培養した際、肝硬変患者と癌患者との腹水リンパ球の免疫応答に差があることが判明した。その原因は腹水中に存在する癌細胞の存在でありMixed Lymphocyte-Tumor Reaction(MLTR)が起りTCGFの存在下でcytotoxic T cell(CTL)の誘導がおこなわれたものと考えられた。HL2を用いてもCTLの誘導は出来なかった。従って、CTLの誘導のためには、癌細胞による抗原刺激とIL2のみならず、他の因子の必要性を示唆している。実際、癌細胞とこれらCTLを一共に培養すると癌細胞は消失するのに対し、rIL2で誘導したLAK細胞では癌細胞は増殖しつづけた。
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[Publications] Koyama,S;Mukai,R;Fukao,K;et al: Cancer Research. 47. 4667-4673 (1987)
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[Publications] Koyama,S;Mukai,R;Fukao,K;et al: Jpn.J.Cancer Research. 79. 264-274 (1988)
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[Publications] 小山捷平,海老原次男,深尾立,大菅俊明: 癌の臨床. 34. 435-441 (1988)
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[Publications] 小山捷平,海老原次男,深尾立,大菅俊明: Oncologia. 21(6). 61-69 (1988)
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[Publications] Ebihara,T.;Koyama,S.;Fukao T.;et al.,: Cancer immunology Immunotherapy. 28. (1989)
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[Publications] Koyama,S.;Ebihara,T.;Fukao,K.;et al.: Jpn.J.Cancer Research. 80. (1989)
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[Publications] Koyama,S.;Ebihara,T.: "Molecular and cellular networks for cancer therapy" Exerpta Medica(Amsterdem), (1989)