1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62570313
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Research Institution | University of Tokyo |
Principal Investigator |
池田 均 東京大学, 医学部, 助手 (80202422)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
名越 澄子 東京大学, 医学部, 医員
藤原 研司 東京大学, 医学部, 講師 (80101088)
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Keywords | 肝再生 / 上皮成長因子 / 増殖因子 / 血小板 / イムノアッセイ |
Research Abstract |
1.ラットEGFの微量定量法の改良:サンドイッチ法による固相化酵素免疫測定法について測定限界を下げるべく改良を試みた。今回は、抗ラットEGF抗体Fab'βDガラクトシダーゼ共役物を新しく用いて、同抗体IgGビーズとの間に抗原をはさみ、その量を4メチルウンベリフェリルβDガラクトシドを基質として測定した。これにより、前回報告し測定法の4倍の最小測定限界0.5pg/tubeまで改良し得た。この系においても、血漿蛋白成分による測定阻害は認められず、抗体ガラクトシターゼ共役物の酵素活性はヨード化抗原と異なり6ヶ月以上安定であり、この側面法は微量測量法として充分な使用に耐えるものであった。 2.体液中のEGF分布:新しく開発した測定系を用いて、乏血小板血漿、多血小板血漿、および血清中のラットEGF免疫活性について再検討したが、いずれも測定限界以下であった。肝切除后各時間の門脈血、大静脈血についても同様の検討をしたが有意な値を示さなかった。更に、血小板をより濃厚にパックし、各種の血小板顆粒放出刺激物質を添加したのちに、その上清についてもEGF免疫活性を調べたが、確実な活性値は得られなかった。 3.肝内EGF分布:放射性ヨード化EGFをラット肝2/3切除后4時間目、8時間目に門脈より注入し、1時間后のEGF細胞内分布をミクロオートラジオグラフィーにて検討した。コントロール群に比し、肝切除群では有意にEGFの核内移行率が高く、また、4時間目より8時間目の方が高かった。即ち、肝再生において、EGFは初期に核内まで移行し、肝細胞に直接的に作用することが推定された。 今後、EGFの結合・抑制因子の有無、再生機転のひきがねとなる炎症創傷時における、血中・臓器局所のEGF動態等を検討する必要があると考えられた。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Oka,Yuji: Biochemistry International. 16. 941-948 (1988)
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[Publications] Sakamoto,Kenji: Endocrinologia Japonica.